研究領域 | 上皮管腔組織の形成・維持と破綻における極性シグナル制御の分子基盤の確立 |
研究課題/領域番号 |
26112707
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木岡 紀幸 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (90234179)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 細胞外マトリックス / 上皮細胞 / 管腔形成 |
研究実績の概要 |
上皮管腔組織形成および維持は、液性因子などの「化学的」な要因だけではなく、細胞外マトリックス(ECM)の硬さなどの「物理的」な要因によっても大きな影響を受けている。しかし、上皮管腔組織形成時にECMの硬さを感知するセンサーについてはほとんどわかっていない。我々は細胞とECMとの接着装置である接着斑に着目し、接着斑タンパク質であるビンキュリンとビネキシンの相互作用が繊維芽細胞におけるECMの硬さを感知するセンサーであることを明らかとしてきている。本研究では、乳腺上皮細胞株を用いたin vitroの管腔形成系を用い、ECMの硬さによる管腔形成調節への接着斑タンパク質の関与について、主にビンキュリン/ビネキシンに着目をしつつ、明らかにすることを目的としている。本年度に乳腺上皮細胞株を用い、ビンキュリンとビネキシンの発現抑制細胞と強制発現細胞を作出した。また、ECMの硬さに依存的した管腔組織形成の実験系の構築を、2種類の方法で作出した3次元コラーゲンゲルを用いて試みた。報告されている先行研究の結果とは異なるものの、ECMの硬さが嚢胞形成に影響を与えることが確認できた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
細胞外マトリックスの硬さに依存した管腔形成の実験系について構築できつつある。解析に必要な細胞は準備ができている。
|
今後の研究の推進方策 |
ECMの硬さ依存的な管腔組織形成系について、さらに条件を検討する。ECMの硬さの効果がより顕著にみられる実験条件下で、ビンキュリンやビネキシンの効果を検討する。さらに、管腔形成に関わるシグナル伝達についても検討する。
|