研究領域 | 上皮管腔組織の形成・維持と破綻における極性シグナル制御の分子基盤の確立 |
研究課題/領域番号 |
26112714
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
今村 寿子(滝川寿子) 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30523790)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 形態形成 / 数理モデル / 上皮 / 発生 / 座屈 / 肺 / FGF10 |
研究実績の概要 |
上皮組織が特徴的形態を形成する過程について、マウス胎仔由来の腺様期の肺上皮組織片をFGF10添加マトリゲル中で培養し、どのようにFGF10に応答しているか調べました。その結果、肺上皮のFGF10取り込み量は広範囲のFGF10濃度に対して高感度に変化することを明らかにしました(未発表)。またFGF10下流のMAPキナーゼ活性は、FGF10濃度のみならず上皮細胞の高さによっても異なることを示唆するデータも得ました(未発表)。今後は上皮細胞の増殖やFGF10濃度勾配への走化性を調べ、FGF10取り込みとMAPキナーゼ活性との関連を明らかにします。以上の細胞応答と組織挙動とを対応付け、他の上皮管腔組織との比較により肺に特徴的な規則的分岐構造形成のメカニズムを予測するためのツールとして、細胞増殖・走化性・細胞の高さに依存して上皮が分岐するという数理モデルのフレームワークを構築しました(未発表)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定の濃度勾配デバイスの利用が難しかったため、濃度依存性を調べる方針に変更しました。
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今後の研究の推進方策 |
今後は上皮細胞の増殖やFGF10濃度勾配への走化性を調べ、FGF10取り込みとMAPキナーゼ活性との関連を明らかにします。また細胞増殖・走化性・細胞の高さに依存して上皮が分岐するという数理モデルのフレームワークを利用して、臓器に特徴的な形態が生まれるメカニズムについての理論研究を進めます。
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