公募研究
女王蜂と働き蜂の卵巣構造の解析を行った。ミツバチ由来vasa、armadillo、hts(adducin)の抗体を作成し、女王蜂の卵巣におけるgermariumの組織染色を行った。その結果、ショウジョウバエと同様に女王蜂の卵巣のgermariumにおいてterminal filamentが存在することやcystoblastの形成が見られることが明らかとなった。また、ミツバチでは、phalloidinでfusomeの形成を観察することができ、phalloidinとhts抗体との反応から、germarium でのfusomeとring canalの構造体の存在も確認した。また、germariumでの細胞分裂の様子も確認することができた。一方、働き蜂の卵巣においても同様の構造体を確認した。働き蜂では、女王蜂と異なりegg chamberの形成が見られず、germariumから先のegg chamberの形成が行われる段階で中断がおきて、働き蜂で卵形性が見られない可能性が示唆された。一方、働き蜂は卵巣小管の数が約1-5個なのに対し女王蜂の卵巣小管は200以上に発達することで1日に2000個の卵を産むが、卵巣小管が増加するしくみについてはこれまで明らかになっていない。そこで、次に女王蜂の卵巣小管の増加に関与するシグナルについても解析した。その結果、幼虫期のwnt1が女王蜂の卵巣小管の増加に関与していることが明らかとなった。さらに、幼虫期の幼若ホルモン(JH)が女王蜂の卵巣発達に関与することがすでに報告されているが、JHがJHの受容体であるMethoprene tolerant(Met)を介してwnt1の発現を増加させ、ミツバチの卵巣小管の増加に関与している可能性を新たに見出した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 5件)
Biochem Biophys Res Commun.
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