公募研究
申請者らは、肝癌の非コード領域を解析し、発癌の原因となる非コード変異を変出することを目的として研究を行っている。初年度は、2つの方法で非コード領域の解析を行った。(1)lincRNAやプロモーターなどのアノテーションを用いて、有意に変異が蓄積している領域を探索した。その結果、複数のプロモーター領域やlincRNAにおいて、有意に多い変異が検出された。lincRNAについては、肝癌の細胞株でノックダウン実験を行い、細胞の浸潤能が減少することを見いだした。(2)アノテーション情報を用いずに、全ゲノムを均等に分割し、有意に多くの変異が存在する領域を探索し、変異数が多い領域を検出した。検出された候補について、機能解析を行い、プロモーター活性やエンハンサー活性に与える影響を調査した。また、構造異常の解析も行った。構造異常を検出する方法論を開発し、低い偽陽性率で構造異常を検出することを可能とした。また、遺伝子座ごとに構造異常数の数の検定を行ったところ、既知の癌遺伝子に加えて、新規癌遺伝子が検出された。それらについて、ノックダウン実験を行い、複数の遺伝子において細胞の増殖活性への有意に影響を観察した。さらに、RNAseqとの比較により、いくつかの既知の癌遺伝子の発現量が周辺の構造異常に影響されることを発見した。以上の結果より、重要な非コード領域と新規癌遺伝子候補を同定すると共に、構造異常が遺伝子発現の変化により発癌に影響することが示唆された。
2: おおむね順調に進展している
情報解析はほぼ終了し、いくつかの候補について機能解析を行った。
本年度は情報解析を追加で行い、研究結果をまとめる。
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)
Oncogene
巻: AOP ページ: 1-8
doi:10.1038/onc.2015.90
Nat Comms
巻: 6 ページ: 6120
doi:10.1038/ncomms7120
BMC Med Ethics
巻: 15 ページ: 33
doi:10.1186/1472-6939-15-33
Medical Science Digest
巻: 2014年11月号 ページ: -
血管医学
巻: 2014年9月号 ページ: -
医学のあゆみ
巻: 2014年6月7日号 ページ: -
巻: 2014年5月3日号 ページ: -
巻: 2014年4月26日号 ページ: -
巻: 2014年3月22日号 ページ: -
肝胆膵
巻: 2014年3月号 ページ: -
http://www.riken.jp/pr/press/2015/20150130_3/