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2015 年度 実績報告書

学習記憶能力を賦与するホルモンの脳内作用メカニズムの解明

公募研究

研究領域多様性から明らかにする記憶ダイナミズムの共通原理
研究課題/領域番号 26115522
研究機関帝京大学

研究代表者

本間 光一  帝京大学, 薬学部, 教授 (90251438)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード神経科学 / 行動学 / 脳・神経 / 動物 / 薬学
研究実績の概要

今年度は、メモリープライミングの分子的な実体の解明に進展が見られた。これまでメモリープライミングを引き起こすT3の下流には、神経細胞棘突起内のアクチンの重合状態の変化があることを見出していたが、この変化を定量的に検出する系を確立した。この技術を確立することによって、記憶と神経微細構造の細胞骨格の変化を定量的かつ継時的に調べることが可能になると期待される。

方法は、繊維状アクチンと特異的に結合するペプチドを脳内神経細胞にウイルスを用いて遺伝子導入して発現させ、刷り込み学習によって、棘突起内の繊維状アクチン量がどのように変動するかを解析した。この系を利用した結果、刷り込み学習のトレーニングによる繊維状アクチンの増加とT3による減少効果が拮抗することを明らかにした。すなわち刷り込みが起こる際には、アクチン重合と脱重合が一過的に激しくなり、記憶が成立すると元の定常状態に戻ることが明らかになった。この一過的なアクチン重合の変化の間で、記憶成立に重要な生化学的反応が起こっていることが考えられる。T3の受容体は細胞内に存在し、T3と結合すると他の遺伝子発現に関与するとともに、非遺伝子的な作用によって刷り込み記憶の成立に必要な反応をもたらし、神経微細構造内のアクチン骨格に変化をもたらすと考えられる。これまで学習記憶依存のアクチン骨格の変動の報告はいくつかあるが、本研究のように学習能力を与えるホルモンの作用と、学習トレーニングとを組み合わせた解析は初めてであり意義深い。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Involvement of nucleotide diphosphate kinase 2 in the reopening of the sensitive period of filial imprinting of domestic chicks (Gallus gallus domesticus).2016

    • 著者名/発表者名
      Yamaguchi S, Aoki N, Takehara A, Mori M, Kanai A, Matsushima T, Homma KJ.
    • 雑誌名

      Neurosci Lett.

      巻: 612 ページ: 32-37

    • DOI

      10.1016/j.neulet.2015.12.004.

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Critical role of the neural pathway from the intermediate medial mesopallium to the intermediate hyperpallium apicale in filial imprinting of domestic chicks (Gallus gallus domesticus).2015

    • 著者名/発表者名
      Aoki N, Yamaguchi S, Kitajima T, Takehara A, Katagiri-Nakagawa S, Matsui R, Watanabe D, Matsushima T, Homma KJ.
    • 雑誌名

      Neuroscience

      巻: 308 ページ: 115-124

    • DOI

      10.1016/j.neuroscience.2015.09.014.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] ニワトリヒナにおいて甲状腺ホルモンは学習経験依存の学習促進効果をもたらす2016

    • 著者名/発表者名
      武原顕彦、青木直哉、山口真二、本間光一
    • 学会等名
      日本動物学会第68回関東支部大会
    • 発表場所
      神奈川大学横浜キャンパス
    • 年月日
      2016-03-12 – 2016-03-12
  • [学会発表] Critical role of the novel neural pathway in the cerebrium in filial imprinting of newly-hatched domestic chicks2016

    • 著者名/発表者名
      山口真二、青木直哉、本間光一
    • 学会等名
      Integrative Network Linking Multiple Brain Areas for Behavioral Adaptation
    • 発表場所
      同志社大学 寒梅館
    • 年月日
      2016-03-03 – 2016-03-04
    • 国際学会
  • [備考] 帝京大学薬学部ホームページ

    • URL

      http://www.pharm.teikyo-u.ac.jp/

  • [備考] 帝京大学教員情報

    • URL

      https://www.e-campus.gr.jp/staffinfo/public/staff/detail/450/16

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公開日: 2017-01-06  

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