研究領域 | 少数性生物学―個と多数の狭間が織りなす生命現象の探求― |
研究課題/領域番号 |
26115718
|
研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
村越 秀治 生理学研究所, 脳機能計測・支援センター, 准教授 (90608142)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | シナプス / FRET / 蛍光寿命 |
研究実績の概要 |
記憶形成の最小単位であるシナプスの後端を形成するスパインの大きさは0.1 フェムトリッター程度の容積しかない。これは、ある分子が細胞に100 nMの濃度で発現しているとすると、1個のスパインには10分子程度しか存在しないことを意味する。このような少数分子の活性とシナプス可塑性の関係を明らかにすることが目的である。 現在までに、海馬神経細胞シナプス内での分子活性化を可視化するために2光子蛍光寿命イメージングの構築を行った。特に、イメージング用のレーザーとケイジドグルタミン酸の光解放用のレーザーを導入することで、神経細胞を観察しながら単一シナプスに光刺激を行えるようにした。また、シナプス内で分子の活性化を高感度、高精度で捉えるためのFRETプローブの開発も並行して行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2光子蛍光寿命イメージング顕微鏡の構築が完了し、新規FRETプローブの開発にも成功している。これらの点から概ね順調に進展していると考えられる。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、各種FRETプローブの開発を行い、海馬スライス内神経細胞のシナプス内でのシグナル分子活性化観察を新規構築した2光子蛍光寿命イメージング顕微鏡を用いて行う予定である。
|