公募研究
本研究では、分子細胞生物学的手法を用いてRAD51が集積する束状核内領域がHR factoryである可能性を検証する。ついで、HR factoryの構築メカニズムを解明するために、束状領域に集積しないRAD51変異体を用いたクロマチン構造関連因子を中心としたインタラクトーム解析を行う。これらの研究を通して、ゲノム修復における動的クロマチン構造の生物学的意義の解明に取り組む。平成26年度は、RAD51集積束状領域とRAD51タンパク質の動態解析を行い、ゲノム損傷が誘導された束状領域にはより多くのRAD51が集積してくることが明らかになった。さらに、束状領域と相同組換え修復のために形成された単鎖DNAとの局在関連解析を行い、ゲノム損傷誘導後に単鎖DNAがRAD51集積束状領域に形成されていることが確認され、束状領域で相同組換え修復が行われている可能性が示唆された。これらの知見を検証するために、平成27年度は超解像顕微鏡を用いたクロマチンドメイン、HR関連タンパク質と束状領域との局在関連解析を行い、相同組換え修復に関連するRPAなどのタンパク質が、RAD51集積束状領域に集積していることを確認した。興味深いことに、これらのタンパク質の集積は、クロマチンドメインの表面、あるいはクロマチン間領域に認められ、ゲノム修復の「場」と細胞核高次構造の関連の一端が明らかになった。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 4件、 招待講演 3件) 備考 (1件)
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