研究領域 | 動的クロマチン構造と機能 |
研究課題/領域番号 |
26116517
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
斉藤 寿仁 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (50211925)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | クロマチン / 核 / tunicamycin / 分葉核 / 好中球 / HL-60 / 分化 / 細胞死 |
研究実績の概要 |
ヒト末梢血中の白血球の約50%を占める好中球は、分化の過程で核が3~4つに分葉化する。核の分葉化は好中球の分化・成熟度合いを表すと考えられている。2004年にBrinkmannとZychlinskyらは好中球が細胞外クロマチンNeutrophil Extracellular Traps (NETs)を形成し細菌を捕獲することを報告し、好中球が外部から侵入してきた細菌を貪食し死滅させる免疫応答の他に、細胞外クロマチンを介して免疫に関与する可能性を指摘した。しかしながら、分葉核からNETsに至るクロマチン動構造や細胞外クロマチンによる免疫応答の制御については不明な点が多い。研究代表者らは、白血球由来の細胞株HL-60を用い、分葉核とNETs類似の構造体を誘導することに成功した。前者はall-trans retinoic acidを用いた系で、すでにいくつかのグループも成功している。一方、後者についてはtunicamycinを用いる系で、研究代表者が独自に開発したものである。これらの実験系を用いて核とクロマチン動構造制御に関わる因子群を解析したところ、核内タンパク質の動態やDNAの脱凝縮などの解析が可能であることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
白血球由来のHL-60細胞株を用いた分化と細胞死の誘導系を確立できたことで、計画している実験が順調に進みだしたことから、(2)のおおむね順調に進展していると考えた。
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今後の研究の推進方策 |
2つのin vitroの細胞分化と細胞死の実験系を用いて、マーカータンパク質やDNAの動態の詳細な解析を行っていく。
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