公募研究
申請者はこれまで、分裂酵母のfbp1と呼ばれるグルコース飢餓ストレスに応答する遺伝子の活性化機構の解析を行い発現誘導に先立って、この遺伝子上流領域からの非コードRNA転写と共役した、転写因子結合部位のクロマチン再編成機構を発見していた。申請者は、独自に発見した非コードRNA転写の新機能のさらなる理解のために、H27年度本領域の研究で、以下の研究成果を上げた。1 fbp1の転写活性化にはAtf1, Rst2, Php5が必要であり、抑制にはTup11/12リプレッサーが関わるが、3種の活性化因子がTup11/12を段階的に阻害することでクロマチン再編成や転写基本因子の結合安定化をすることでfbp1の活性化を引き起こすことを報告した。2 Tup11/12リプレッサーの欠損はストレスへの特異的対応が不良になったり、転写開始点の決定がぶれたりするなど、精密な転写の不良となることから、Tup11/12は抑制のみではなくむしろ制御的な働きを担っているのではないかと考えられるようになった。3 fbp1遺伝子活性化過程において、fbp1遺伝子座において高次のゲノム3D構造の変換が起きていることを明らかにした。4 fbp1遺伝子の10kb程度5’上流側のORFもグルコース応答性(Atf1依存)の反応をする。この領域もfbp1遺伝子上流と高次構造を形成していることが判明した。このことから、fbp1遺伝子の制御ユニット中の3D構造を他の遺伝子プロモーターが共有することで1種のオペロンのような働きをしていることがうかがわれた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 5件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 6件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件) 図書 (2件)
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