公募研究
M期染色体動態の制御中枢であるセントロメアは、高度に凝縮したクロマチンと特異的に局在するタンパク質によって特殊な染色体構造を構築している。その一方で、セントロメアは、微小管との相互作用によって機械的な力を受けて、ブリージング、オシレーションといった運動をすることが知られている。さらに我々は「ストレッチング」と呼ばれる動原体の伸縮運動を見出した(Uchida et al., 2009)。こうした3つのダイナミックな運動がいかにして起こり、どのような効果をもたらしているのかはよく分かっていない。本研究の目的は、セントロメアに局在するタンパク質複合体の動態を手掛かりにして、セントロメア・クロマチンの動構造の成因を探り、その生物学的意義を明らかにすることである。平成26年度は、セントロメア構築に中心的な役割を担うAurora B複合体を蛍光標識した細胞を作成し、その局在をライブイメージング解析によって検討したところ、Aurora B局在(濃縮した点)はセントロメア内で姉妹動原体間を変動することを見出した。その変動によってAurora Bが近づいた動原体ではより強くAurora Bの基質がリン酸化され、遠のいたとこでは弱くなるといった動的特性をもつことが分かり、それに基づいて動原体のストレッチングの発生頻度が変化することが明らかとなった。
2: おおむね順調に進展している
予定した実験が順調に進み、実験系の確立に成功した。
動原体ストレッチングの動態を人為的に抑制する実験系を作成することができたので、これを活用して動原体ストレッチングの生物学的意義の解析を進める。
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