研究領域 | 生命素子による転写環境とエネルギー代謝のクロストーク制御 |
研究課題/領域番号 |
26116717
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石濱 泰 京都大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (30439244)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | プロテオーム / アセチル化 |
研究実績の概要 |
本研究は、細胞内のLysアセチル化ペプチドを配列不偏的に濃縮し、かつアセチル化の制御酵素(Lysアセチル転移酵素(KAT)およびLys脱アセチル化酵素(KDAC))の情報を同時に入手することが可能な新規アセチル化ペプチド濃縮法を開発し、アセチル化制御酵素と基質の大規模相関解析を行うことである。 本年度は、抗体を用いずに細胞内アセチル化ペプチドを濃縮するDAPE(DeAcetylated Peptide Enrichment法)の開発に注力した。アセチル化ペプチドとそれ以外を分離するため、疎水性タグと二段階分離を組み合わせる手法を確立し、濃縮選択性と回収率を大幅に向上させることに成功した。また、本手法をKDAC18種に適用し、その脱アセチル化選択性を明らかにした。さらに脱スクシニル化活性も有するKDACについても、脱スクシニル化における配列モチーフについてもデータを取得した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、(1) DAPE 法を確立すること、(2) DAPE 法により、細胞内アセチル化修飾の大規模解析を行うこと、および(3)アセチル化制御酵素(KDAC,KAT)と基質の相関関係を明らかにすることを目的にしている。このうち、H26年度では、当初の計画通り、(1)を中心に展開し、結果として目標をほぼ達成できたため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、H27年度は細胞内アセチル化修飾の大規模解析およびアセチル化制御酵素(KDAC,KAT)と基質の相関関係の解明をめざし、展開する。試料として、何も処理しないもの(細胞の内在性アセチル化基質)、化学的にアセチル化したもの、KDAC阻害薬でアセチル化を亢進したもの、およびin vitroで様々なKATで処理したものをを用い、安定同位体による定量を行う。
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