公募研究
生命が恒常性を維持するために日々営まれている代謝反応は普遍的である一方で、細胞の状態あるいは外部環境に応じて、新たな代謝定常状態にシフトするダイナミクスを持ち合わせている。これは代謝経路が細胞内シグナル伝達や転写などの細胞内イベントと密接に連動して制御されていることを意味するが、その全貌は謎に包まれている。代謝ネットワークの動作原理理解のためには、様々な摂動条件下での代謝ネットワークの動的挙動を追跡する必要がある。本研究課題では、申請者らが独自に開発した超高感度タンパク質定量法を、特にスループットの面から改良し、高速に全ての代謝酵素を一斉絶対定量ができるようなプラットフォームへと発展させる。さらにこの計測システムおよび各種オミクス計測法を併用して、低酸素や栄養飢餓に対する代謝経路の応答を詳細な時系列データとして取得(トランスオミクス解析)し、得られたデータに基づく数理解析等によって、代謝経路とそれを制御する細胞内ネットワークの接点解明を目指す。平成27年度は、膨大なMRMクロマトグラムから高精度で目的ピークを抽出できるアルゴリズムを開発し、それを実装したソフトウェアを作成することで、情報処理のスループットを10倍以上に向上させた。また、様々な細胞に環境要因の摂動(低酸素や栄養飢餓など)を与え、代謝ネットワークの応答を多階層(酵素量やリン酸化、さらには代謝物量など)に渡り計測した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)
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DOI: 10.1038/ncomms11289
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