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2014 年度 実績報告書

細胞膜輸送と細胞骨格再構築によるミエリン形成機構

公募研究

研究領域グリアアセンブリによる脳機能発現の制御と病態
研究課題/領域番号 26117513
研究機関神戸大学

研究代表者

匂坂 敏朗  神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80359843)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード髄鞘 / オリゴデンドロサイト / Kif14
研究実績の概要

中枢神経の髄鞘はオリゴデンドロサイトが神経軸索上でダイナミックに運動、形態変化し、幾重にも軸索に巻きつくことで形成される。髄鞘の多重層の形成には、細胞形質膜への多量の膜の供給と時期に応じた膜変形が必要であり、極めて高度な膜制御機構があるとされている。私共は、Kif14モータータンパク質が髄鞘形成の初期段階であるオリゴデンドロサイトの突起進展に関与することを明らかにしている。
本年度は、Kif14の細胞内機能を解析し、以下の結果を得た。
1)Kif14のC末端をHeLa細胞に発現させると、顆粒状の構造物であるクリスタロイド小胞体が形成された。
2)GST-Kif14C末端はホスファチジルイノシトール-3,4,5-三リン酸(PIP3)と強く結合した。
これらのことから、Kif14がC末端でPIP3に結合することにより、クリスタロイド小胞体を形成すると考えられた。Kif14がC末端の膜変形活性を介して、小胞体を幾重にも巻き付かせ、クリスタロイド小胞体を形成することが考えられた。このKif14の膜変形活性が幾重にも軸索に巻きついた髄鞘の多重層形成に関与していると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Kif14の膜変形活性を見いだし、Kif14のC末端に結合するリン脂質としてPIP3の同定に成功したことより、おおむね順調に研究が進捗している。

今後の研究の推進方策

Kif14遺伝子欠損マウスを用いて、オリゴデンドロサイトのミエリン形成プロセスの異常、およびミエリン形成異常過程におけるオリゴデンドロサイトの細胞内小器官の形態、性状とその分子メカニズムを詳細に検討する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The Emerging Role of Calcium-modulating Cyclophilin Ligand (CAML) in Posttranslational Insertion of Tail-anchored Proteins into the Endoplasmic Reticulum Membrane.2015

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto, Y., and Sakisaka, T.
    • 雑誌名

      The Journal of Biochemistry

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1093/jb/mvv035

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Crystal structure of afadin PDZ domain-nectin-3 complex shows the structural plasticity of the ligand-binding site.2015

    • 著者名/発表者名
      Fujiwara, Y., Goda, N., Tamashiro, T., Narita, H., Satomura, K., Tenno, T., Nakagawa, A., Oda, M., Suzuki, M., Sakisaka, T., Takai, Y., and Hiroaki, H.
    • 雑誌名

      Protein Science

      巻: 24 ページ: 376-385

    • DOI

      10.1002/pro.2628

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Cytoarchitecture of the olfactory bulb in the laggard mutant mouse.2014

    • 著者名/発表者名
      Yunus, J., Setsu, T., Kikkawa, S., Sakisaka, T., and Terashima, T.
    • 雑誌名

      Neuroscience

      巻: 275 ページ: 259-271

    • DOI

      10.1016/j.neuroscience.2014.06.011

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification and Characterization of TMEM33 as a Reticulon-binding Protein.2014

    • 著者名/発表者名
      Urade, T., Yamamoto, Y., Zhang, X., Ku, Y., and Sakisaka, T.
    • 雑誌名

      Kobe Journal of Medical Sciences

      巻: 60 ページ: E57-E65

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] VAP-B Binds to Rab3GAP1 at the ER: Its Implication in Nuclear Envelope Formation through the ER-Golgi Intermediate Compartment.2014

    • 著者名/発表者名
      Hantan, D., Yamamoto, Y., and Sakisaka, T.
    • 雑誌名

      Kobe Journal of Medical Sciences

      巻: 60 ページ: E48-E56

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 小胞体の膜形態制御と翻訳後膜挿入の分子機構2014

    • 著者名/発表者名
      山本 泰憲、匂坂 敏朗
    • 学会等名
      第87回日本生化学会大会
    • 発表場所
      国立京都国際会館
    • 年月日
      2014-10-15
  • [図書] Presynaptic Terminals2015

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto, Y., and Sakisaka, T.
    • 総ページ数
      365(129-140)
    • 出版者
      Springer
  • [備考] 神戸大学大学院医学研究科 生理学・細胞生物学講座 膜動態学分野

    • URL

      http://www.med.kobe-u.ac.jp/membrd/

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公開日: 2016-06-01  

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