• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実績報告書

全ゲノムSNPデータを基盤としたグリア遺伝子と統合失調症の関連解析

公募研究

研究領域グリアアセンブリによる脳機能発現の制御と病態
研究課題/領域番号 26117518
研究機関藤田保健衛生大学

研究代表者

池田 匡志  藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (60424933)

研究期間 (年度) 2014-07-10 – 2016-03-31
キーワード精神科遺伝学
研究実績の概要

多くの統合失調症遺伝子関連解析の結果を鑑みると、個々の一塩基多型(SNP)のeffect sizeは極めて小さいことが判明している。従って、このような小さいeffect sizeのリスクを同定するためには、生物学的パスウェイを利用してグルーピングを行い、疾患との関連を検討するパスウェイ解析が有効とされ、注目を集めている。本研究では、日本人統合失調症の全ゲノム関連解析(GWAS)データを利用し、Gene Ontology (GO)のtermについて網羅的な解析を行い、グリア関連のパスウェイが関連するかを検討した。サンプル数は、2054名の統合失調症と2923名の正常対象者(すべて日本人)である。
パスウェイで最も有意な関連を示したのは、protein folding(GO6457)であり、P<1x10-4を示した。他方、SNP-wiseの解析でも、有意水準である5x10-8以下の関連を示すSNPを認められなかったが、既報で有意と報告されているMHC領域に関連の傾向を認めた(P-10-7レベル)。本領域では、古典的HLAがあり、免疫の異常、あるいは慢性炎症のリスクとなっている可能性があり、グリアの視点からも興味がもたれる。そのため、HLA-A, C, B, DRB1のアレルについてタイピングを行い(4桁)、関連を検討した(1963名の統合失調症と861名の正常対象者)。その結果、最も有意なものでもP-10-4レベル(OR=0.62)であり、有意とは言えない結果であった。従って、この領域の関連は、non-HLAの可能性が考えられる。
また、グリアに影響を与える可能性のある抗精神病薬(クロザピン)や、気分安定薬(リチウム)の治療反応性の薬理ゲノム研究(PGx)も完了した。こちらも、グリア関連遺伝子とは明確な関連は得られなかった。
本データセットは貴重であり、今後も継続することが望まれる。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Pharmacogenomic Study of Clozapine-Induced Agranulocytosis/Granulocytopenia in a Japanese Population2016

    • 著者名/発表者名
      Saito T, Ikeda M,et al.
    • 雑誌名

      Biol Psychiatry

      巻: in press ページ: in press

    • DOI

      10.1016/j.biopsych.2015.12.006.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Genome-wide environment interaction between depressive state and stressful life events.2016

    • 著者名/発表者名
      Ikeda M, Shimasaki A, Takahashi A, Kondo K, Saito T, Kawase K, Esaki K, Otsuka Y, Mano K, Kubo M, Iwata N.
    • 雑誌名

      J Clin Psychiatry

      巻: 77(1) ページ: e29-30

    • DOI

      10.4088/JCP.15l10127.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 精神科遺伝子研究:臨床応用への問題点と今後の戦略 ;PGxに焦点を当てて2015

    • 著者名/発表者名
      池田匡志
    • 学会等名
      日本臨床精神薬理学会
    • 発表場所
      京王プラザホテル
    • 年月日
      2015-10-29 – 2015-10-29
  • [学会発表] 精神疾患の薬理ゲノム学2015

    • 著者名/発表者名
      池田匡志
    • 学会等名
      日本生物学的精神医学会
    • 発表場所
      タワーホール船堀
    • 年月日
      2015-09-26 – 2015-09-26
  • [学会発表] 精神疾患のゲノム研究2015

    • 著者名/発表者名
      池田匡志
    • 学会等名
      日本精神神経学会
    • 発表場所
      大阪国際会議場
    • 年月日
      2015-06-04 – 2015-06-04

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi