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2015 年度 実績報告書

オルガネラ分化を実現する膜タンパク質の選別輸送機構の階層性と相互干渉

公募研究

研究領域マトリョーシカ型進化原理
研究課題/領域番号 26117724
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

阪口 雅郎  兵庫県立大学, 生命理学研究科, 教授 (30205736)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードペルオキシソーム / 小胞体 / 膜タンパク質
研究実績の概要

真核細胞の細胞内小器官でミトコンドリアおよびペルオキシソーム膜に局在する膜タンパク質の局在制御機構の解明を目指した。これらの小器官は、多くの他の小器官と異なり小胞体とは独立に存在する。起源は、共生細胞に由来すると考えられてきた。これらの存在する膜タンパク質は、もともと細胞に内在した小胞体への標的化系から独立し、この標的化を回避することが、オルガネラの存立に必須である。ミトコンドリアへの局在化には、その前駆体に存在するミトコンドリア指向性配列が、小胞体標的化を抑制する作用をも有していることを見出していた。本研究によって、ペルオキシソームに存在するATP結合カセットをもつ輸送体(ABC輸送体)のD3アイソフォームの先端配列が、小胞体標的化を抑制する特異な作用を有することを発見した。この作用は、500アミノ酸残基からなるD3のわずか12残基以内に存在すること、それは他のなんら関連性の無い分泌タンパク質の小胞体標的化をも抑制することを見出した。その作用には、12残基のうち5位のセリンが必須であり、他の19種のアミノ酸のどれでも代替不可能であった。特異配列がその作用を担うことが明らかになった。この5位のセリンをアラニン残基に置換した変異D3アイソフォーム分子は小胞体に局在化した。さらに、この配列に作用するタンパク質があることを化学架橋実験で実証し、細胞質抽出を分画することで、その因子の精製が可能であることを示した。疎水性の膜貫通配列を持つ膜タンパク質は、その性質ゆえに必然的に小胞体へ導かれることになるが、それを抑制し、独立オルガネラであるペルオキシソームへの局在化を可能にする仕組みの解明にむけた道を開くことができた。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (10件)

  • [雑誌論文] Stability and flexibility of marginally hydrophobic segments stalling at the endoplasmic reticulum translocon2016

    • 著者名/発表者名
      Kida, Y., Ishihara, Y., Fujita, H., Onishi, Y. and Sakaguchi, M.
    • 雑誌名

      Mol. Biol. Cell

      巻: 6 ページ: 930-940

    • DOI

      10.1091/mbc.E15-09-0672

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] The N-terminal motif of PMP70 suppresses cotranslational targeting to the endoplasmic reticulum2015

    • 著者名/発表者名
      Sakaue、H., Iwashita, S., Yamashita, Y., Kida, Y., Sakaguchi, M.
    • 雑誌名

      J. Biochem.

      巻: in press ページ: in press

    • DOI

      10.1093/jb/mvv132

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Capsid protease domain as a tool for assessing protein-domain folding during organelle import of nascent polypeptides in living cells2015

    • 著者名/発表者名
      Kang, K., Takahara, M., Sakaue, H., Sakaguchi, M.
    • 雑誌名

      J. Biochem.

      巻: in press ページ: in press

    • DOI

      10.1093/jb/mvv129

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 翻訳共役型タンパク質膜透過における翻訳後膜透過因子Sec71p及びSec72pの寄与2015

    • 著者名/発表者名
      姜 公秀, 吉久 徹, 阪口雅郎
    • 学会等名
      第38回分子生物学会年会・第88回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      神戸国際会議場(兵庫県神戸市)
    • 年月日
      2015-12-01 – 2015-12-04
  • [学会発表] 合成途上のペルオキシソーム膜タンパク質の小胞体標的化を抑制する因子の解析2015

    • 著者名/発表者名
      阪上春花, 斎藤一伸, 木田祐一郎, 岡田雅人, 阪口雅郎
    • 学会等名
      第38回分子生物学会年会・第88回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      神戸国際会議場(兵庫県神戸市)
    • 年月日
      2015-12-01 – 2015-12-04
  • [学会発表] 小胞体トランスロコンと膜組み込み途上にある新生ポリペプチド鎖との会合について2015

    • 著者名/発表者名
      木田祐一郎, 藤田英伸, 阪口雅郎
    • 学会等名
      第38回分子生物学会年会・第88回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      神戸国際会議場(兵庫県神戸市)
    • 年月日
      2015-12-01 – 2015-12-04
  • [学会発表] ABCC7/CFTRをapical側細胞膜へ標的化させるシグナルの探索2015

    • 著者名/発表者名
      衣斐義一, 阪口雅郎
    • 学会等名
      第38回分子生物学会年会・第88回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      神戸国際会議場(兵庫県神戸市)
    • 年月日
      2015-12-01 – 2015-12-04
  • [学会発表] 小胞体トランスロコンによる新生鎖のハンドリング2015

    • 著者名/発表者名
      阪口雅郎
    • 学会等名
      第53回日本生物物理学会年会
    • 発表場所
      金沢大学(石川県金沢市)
    • 年月日
      2015-09-13 – 2015-09-15
  • [学会発表] 翻訳共役型タンパク質膜透過における翻訳後膜透過因子Sec71及びSec72の寄与2015

    • 著者名/発表者名
      姜 公秀, 吉久 徹, 阪口雅郎
    • 学会等名
      第67回日本細胞生物学会大会
    • 発表場所
      タワーホール船堀(東京都江戸川区)
    • 年月日
      2015-06-29 – 2015-07-02
  • [学会発表] 合成途上のペルオキシソーム膜タンパク質の小胞体標的化を抑制する因子の精製2015

    • 著者名/発表者名
      阪上春花, 木田祐一郎, 阪口雅郎
    • 学会等名
      第67回日本細胞生物学会大会
    • 発表場所
      タワーホール船堀(東京都江戸川区)
    • 年月日
      2015-06-29 – 2015-07-02
  • [学会発表] ABCC7/CFTRのapical側細胞膜への標的化シグナルの探索2015

    • 著者名/発表者名
      衣斐義一, 阪口雅郎
    • 学会等名
      第67回日本細胞生物学会大会
    • 発表場所
      タワーホール船堀(東京都江戸川区)
    • 年月日
      2015-06-29 – 2015-07-02
  • [学会発表] マルチスパン膜タンパク質新生鎖のトランスロコンによるハンドリング2015

    • 著者名/発表者名
      吉村正太郎, 大西由希子, 木田祐一郎, 阪口雅郎
    • 学会等名
      第15回日本蛋白質科学会年会
    • 発表場所
      あわぎんホール(徳島県徳島市)
    • 年月日
      2015-06-24
  • [学会発表] リボソームによる新生鎖の感知とトランスロコンの機能制御2015

    • 著者名/発表者名
      高橋千恵, 大西由希子, 木田祐一郎, 柳谷耕太, 河野憲二, 阪口雅郎
    • 学会等名
      第15回日本蛋白質科学会年会
    • 発表場所
      あわぎんホール(徳島県徳島市)
    • 年月日
      2015-06-24

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公開日: 2017-01-06  

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