公募研究
オルガネラ間の代謝連携のモデルとしてマウス腹腔マクロファージ分化系を用いて研究を行なってきた。安定同位体標識13C-グルコースを用いてCE-MSを用いたメタボローム解析を施行したところ、炎症性マクロファージではグルコースの取り込みが増加し、盛んに解糖系を活性化させ、13C-標識乳酸を産生する事が分かった。またその際、グルコースからの炭素源はTCAサイクルには流入しないことが分かった。しかしながら、標識されていない(12C-)TCAサイクル中間代謝産物量は対照群に比べ減少していないことから、炎症性マクロファージにおいてはTCAサイクルは解糖系と独立して制御されていることが示唆された。また、前年までの研究成果により、メチオニン代謝が解糖系酵素のメチル化修飾動態を変化させ、マクロファージの機能分化に作用することがわかったが、メチオニン-システイン代謝の律速酵素であるCBS(cystathionine beta-synthase)をノックダウンするとTCAサイクルやグルタミン代謝系中の酵素の発現量が低下することが判明した。逆にグルタミン代謝系の酵素であるGlud1(glutamate dehydrogenase1)ノックダウン細胞ではメチオニン代謝酵素の発現量が変化したことから、マクロファージにおけるエネルギー代謝制御ではグルコース代謝、メチオニン代謝、グルタミン代謝の三者が互いの代謝系を制御している可能性が示唆された。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://www.gasbiology.com/