現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Parkinが不良ミトコンドリアを認識して移行する分子メカニズムとして、PINK1とParkinが協働して形成するミトコンドリア上のリン酸化ポリユビキチン鎖の重要性を明らかにした。さらにリン酸化ポリユビキチン鎖形成によるParkinのミトコンドリア移行に関するポジティブフィードバックループの存在を指摘し、論文として報告することができた(Shiba-Fukushima, PLoS Genet 10: e1004861, 2014)。ほぼ同時に独立して論文を発表したハーバード大学のグループも同様の結果を報告しており(Ordureau, Mol Cell 56: 360-375, 2014)、ミニレビューとして両成果が取り上げられた(Riley, PLoS Genet 11: e1004952, 2015)。リン酸化ユビキチン鎖の存在はこれまで全く存在が報告されてなく、そのインパクトは大きい。 一方、Lys63にリンクするユビキチン鎖形成に関与するUbc13のParkinを介したマイトファジーにおいての重要性は以前から報告されていたが、Ubc13ノックアウト細胞およびUbc13ノックダウンハエにおいて、Lys63にリンクするユビキチン鎖の影響がそれほど大きくないことを明らかにし、論文として報告した(Shiba-Fukushima, J Biol Chem 289: 33131-33136, 2014)。以上の成果から、研究の進捗はおおむね順調であると判断される。
|