公募研究
膜電位の低下したミトコンドリアにParkinを呼び寄せる機構として、PINK1によるParkinおよびユビキチン鎖のリン酸化がその本態であることを、昨年度明らかにした。今年度はそれを受け、Parkinと共にリン酸化ユビキチン鎖に呼び寄せられる分子群を質量分析解析とRNA干渉スクリーニング、ショウジョウバエ(以下、ハエと表記)による遺伝的相互作用により同定し、その機能喪失が及ぼす影響をノックアウト細胞において解析した。これら分子はオートファジーに関与することが示唆され、本計画はさらに遂行中である。一方、個体レベル、特にヒトにおいてのリン酸化ユビキチンシグナルの関与の評価に関しても研究を進めた。具体的には、まずPINK1, Parkinノックアウトハエにおいてリン酸化ユビキチンシグナルの検出を行い、Parkinノックアウトハエで顕著な蓄積を認めた。対照的にPINK1ノックアウトハエでは全く認められず、培養細胞と同様のシグナル伝達が働いていることが示唆された。さらにiPS細胞をドーパミン神経に分化させ、人為的に膜電位低下させた。その結果、Parkin変異によりリン酸化ユビキチン形成が低下することが明らかとなった。ヒトにおいては、遺伝性および孤発性パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、多系統萎縮症病理切片を用いてリン酸化ユビキチンシグナルの検出を試み、疾患特異性を評価した。これら一連のリン酸化ユビキチンシグナルの解析は、次年度の前半までにデータをまとめ発表予定である。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Autophagy
巻: 2 ページ: 1-222
10.1080/15548627.2015.1100356
http://www.juntendo-neurology.com/pdf/kenkyu-imai.pdf