公募研究
時間情報と空間情報を独立に操作した物語を作成し、時間推移の検出に与える主観的時間評価の効果を検討した結果、物語における時間推移の検出において、読者の主観的時間評価が影響することが明らかになった。読者は、自分の身体フィードバックに基づいて物語に書かれた時間情報を体験し、空間認知能力によって物語に書かれた空間情報を理解していることがわかった (Komeda et al., 2015)。この研究成果は、国際学会 (Annual Meeting of the Society for Text and Discourse)で発表をした。現在、論文を執筆中である。自閉スペクトラム症成人の視点取得方略を明らかにするために、fMRI (functional Magnetic Resonance Imaging、機能的核磁気共鳴画像法)を用いた検討した結果、自閉スペクトラム症成人は、物語における視点取得を、時間情報を使わずに空間情報に基づいて行うことがわかった。さらに、参照時から「1時間後」という時間の経過において、定型発達成人の場合、前部帯状回および補足運動野が活動することが明らかになった。自閉スペクトラム症成人の場合は、この領域の活動は時間経過と相関しなかった。以上の研究成果は、「こころの時間地図を脳に描く」という領域の目標達成に寄与すると考えられる。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件) 図書 (3件)
Social Cognitive and Affective Neuroscience
巻: 10 ページ: 145-152
10.1093/scan/nsu126
Frontiers in Human Neuroscience
巻: 9 ページ: 124
10.3389/fnhum.2015.00124