研究領域 | 動的・多要素な生体分子ネットワークを理解するための合成生物学の基盤構築 |
研究課題/領域番号 |
26119709
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
今西 未来 京都大学, 化学研究所, 助教 (80362391)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | DNA結合タンパク質 / 概日時計 |
研究実績の概要 |
DNA結合タンパク質として知られるジンクフィンガーやTranscription Activator-Like Effector (TALE)を鋳型として、任意のDNA配列に結合できるDNA結合タンパク質をデザインできるようになってきた。本研究では、これらのDNA結合ドメインを用いて、時計遺伝子プロモーターに選択的に結合し、任意のタイミングで機能を発揮するスイッチ型人工転写因子の作製を行った。そして、これらを用いて細胞の時計システムの同調を誘起することを試みた。まず、TALEを鋳型として時計遺伝子プロモーターを標的とした人工タンパク質をデザインし、リガンドの添加によってこの人工タンパク質の分解/蓄積をスイッチできるドメインとの融合体として細胞内で発現させた。その結果、これらは、リガンドの添加に応答してDNAに結合することが確認できた。しかし、時計遺伝子の発現リズムをリアルタイムでモニタリングしたことろ、これらのいずれも、効果的に概日時計リズムの同調を誘起することはできないことが判明した。一方、ジンクフィンガーを鋳型として作製した人工DNA結合タンパク質は、リガンドの添加に応答して、概日時計リズムの同調を誘起した。そこでこれをベースにして、各ドメインの性質を変化させたものを作製した。時計遺伝子発現をリアルタイムでモニタリングした結果、これらのほとんどが、リガンドの添加に応答して時計遺伝子発現のリズムを増強するという結果が得られた。今後、その詳細に関して、検討を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
TALEを用いて標的プロモーター配列に結合するタンパク質を作製することができたが、概日時計同調への効果が高いものが得られなかったため、当初の予定としていた位相応答を詳細に検討することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに同調効果が見られたジンクフィンガー型人工DNA結合タンパク質をベースに機能改変を進め、位相応答への影響を詳細に検討する予定である
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