研究領域 | 動的・多要素な生体分子ネットワークを理解するための合成生物学の基盤構築 |
研究課題/領域番号 |
26119716
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
倉田 博之 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (90251371)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 生体生命情報学 / 確率モデル / シミュレーション / 生体分子ネットワーク |
研究実績の概要 |
基本ネットワークの確率的挙動の網羅的探索 2または3遺伝子からなる基本ネットワークの数学モデルを作成して、ノイズが引き起こす確率的挙動が、ダイナミクスや生物機能に与える影響を網羅的に調べた。動力学的パラメータ値を網羅的に変化させながら、さまざまな強度をもつノイズがダイナミクスや生物機能に与える影響を探索した。決定論的方程式が与える結果とは異なる、ノイズに関する生物特有の機能を抽出し、それらをデータベース化した。生物機能変化の指標として、決定論的定常値と確率的時間平均値との差、状態遷移(分子濃度の著しい変化)の度合を評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定どおり、決定論的方程式では予測できない確率的二峰性を生み出す生体分子ネットワークモデルを見つけることができたので。
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今後の研究の推進方策 |
時間依存確率密度により満足される決定論的方程式であるフォッカー=プランク方程式を用いて、確率的二峰性を生み出すメカニズムを解析する。 大規模モデルにおいて、ノイズに対してロバストネスを発揮するメカニズム、ノイズが機能創発(スイッチング、信号増幅、振動、スパイク発生など)するメカニズムを解析する。具体的には、分岐、合流、フィードバック、冗長経路、可逆反応、不可逆反応の役割を解析する。確率的挙動を考慮して、大規模信号伝達経路を設計するための指針を与える。
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