公募研究
本年度は、主にAg(111)表面で行った準粒子干渉実験(QPI)の結果に対して、スパースモデリングの一手法である、圧縮センシングを適応した。この解析を通して、本質的な情報を得るためにどの程度のデータ量で測定する必要があるかを明らかにし、長時間測定が必要とされているQPI測定の大幅な時間短縮を目指した。具体的には、Ag(111)表面で得られた表面定在波のSTM像の二次元フーリエ変換で得られる、表面二次元電子のバンド構造に起因する円環を研究対象とした。まず、元のSTM像の解像度を等間隔及びランダムに下げつつ、LASSOと呼ばれる手法を用いて円環を復元し、どの程度の解像度まで同様の円環が再現されるかを調べた。その結果、等間隔に解像度を下げた場合には、エイリアシングと呼ばれるartifactが現れてしまう一方で、ランダムに解像度を下げた場合には、エイリアシングはなく、10分の1以下の解像度でも円環が再現されることを明らかにした。この結果は、少なくとも本研究で扱ったAg(111)のQPIに関しては、10分の1以下の測定時間でも通常の測定と同様な結果が得られることを示している。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (20件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件) 備考 (3件)
Physical Review B, Rapid communications
巻: 93 ページ: 081408
10.1103/PhysRevB.93.081408
Physical Review B
巻: 93 ページ: 125424
10.1103/PhysRevB.93.125424
Arxiv
巻: 1604.01123 ページ: 1-5
巻: 92 ページ: 064421
10.1103/PhysRevB.92.064421
表面科学
巻: 36 ページ: 403-407
http://hasegawa.issp.u-tokyo.ac.jp/hasegawa/Welcome/entori/2016/2/17_shan_ben_junno_wu_li_xi_zhe_suan_su_fen_zide_liang_zisupin_xiwo_zuoru_mengheno_di_yi_butonaru_lun_wenga_chu_bansaremashita.html
http://hasegawa.issp.u-tokyo.ac.jp/hasegawa/Welcome/entori/2015/8/25_tu_jukunnosupin_pian_jiSTMno_shi_yan_jie_guogaPRBni_chu_bansaremashita.html
http://hasegawa.issp.u-tokyo.ac.jp/hasegawa/Welcome/entori/2015/8/14_zhang_gu_chuan_yan_chunosupin_pian_jiSTMno_lun_wenga_chu_bansaremashita.html