研究領域 | スパースモデリングの深化と高次元データ駆動科学の創成 |
研究課題/領域番号 |
26120515
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
庄野 逸 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (50263231)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | Deep Learning / Deep Convolution net / 転移学習 / 医用画像認識 |
研究実績の概要 |
本計画は,自然画像や医療画像などにおいて解析困難となるテクスチャ状のデータに対して,階層型ニューラルネットワークモデル(NN)の一種である相関型スパース表現 Deep Architecture (DA) モデルを開発し,解析などへの応用を行うことを目的としている.平成26年度の実績としては,1)スパース相関表現を自然画像に適用した場合,脳の皮質表現に似た機能マップが得られることを示したこと,2)DA モデルの一種である,Deep Convolutional Neural Network (DCNN) を医用画像に適用する場合,関係の無い自然画像などで事前学習しておいた方が,比較的少数データの場合でもうまく識別するような機械が得られることを示したことの2点が挙げられる. データからモデルを適合させる際に,学習係数をコントロールするハイパーパラメータを推定する必要があるが,成果1においては,Score Matching 法と呼ばれる手法を用いることでこの問題を解決している.Score Matching 法は,非ガウス分布においても適用可能な原理であるため,ハイパーパラメータ推定の推定精度に関する議論を今後発展させる予定である.一方,成果2は,大量の自然画像を用いて,一旦 DCNN を構築しておき,その上で医用画像を用いて学習器を構成している.この手法は転移学習と呼ばれる学習に相当し,データが少ないような状況においても,自然画像を先に学習することで,うまい特徴を抽出することを示唆することができた.今後は,このような自然画像で学習した多様体上に医用画像がどのようにマッピングされているかを調べることでテクスチャ特徴の解析を行っていく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度の計画としては,相関型特徴解析の手法の確立と,医用画像識別を行う DCNN の構成であり,それぞれのサブテーマにおいて成果を出していると評価している.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,平成26年度の成果を論文化することと,成果1と成果2とをマージすることで新たな解析方法を確立することが目標となる.
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