研究領域 | スパースモデリングの深化と高次元データ駆動科学の創成 |
研究課題/領域番号 |
26120524
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
河原 吉伸 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (00514796)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 機械学習 / 組合せ最適化 / 疎性モデリング |
研究実績の概要 |
本研究は,離散凸性(特に劣モジュラ性)に基づいた疎性モデリングのための組合せ論的な理論的解析方法,及び最適化を中心とした計算への方法論基盤の構築を目的とするものである.特に,効率的に計算可能な離散凸最小化として定式化するために必要な仮定の明確化とそれに基づく高速アルゴリズムの開発,及び事前知識としてのデータ特徴間の構造を離散凸性に基づき利用するための方法について取り組む.そして本領域やその他の応用分野研究者らと共に,得られた成果を種々の実データに対して適用し,その有用性の検証を行う事を目的としている. 当該年度では,(課題1)疎性モデリングへの離散凸性に基づく理論解析方法と高速アルゴリズムの開発,に関連して,l0正則化による特徴選択のための最適化(劣モジュラ最大化)を実用的時間で行うためのアルゴリズムの研究を進めた.以前我々で開発した劣モジュラ最大化のための厳密手法を,特徴選択で一般的に成り立つ状況においても利用可能な形へと拡張し,その経験的性能の評価を進めた. (課題2)データ構造情報を用いた疎性モ デリングへの組合せ論的解析方法の深化,に関連して,既存の構造正則化を劣モジュラ関数に基づき一般化する議論を進め,理論的/実用的にきわめて高速に計算可能なネットワークフロー計算へと帰着可能な問題クラスを特定した.この内容については,国際会議への論文投稿中である. さらに(課題3)周辺情報分野への展開とドメイン研究者との共同による応用的問題への適用,に関しては,企業研究者と商品アンケートデータの分析への適用についてや,コンピュータ・ビジョン分野におけるある問題への応用などについて議論を行い,既に論文投稿などを行った内容も複数ある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた研究計画とは,各課題間での進捗は前後しているものの,すでに一定の成果が得られ論文投稿を行っている内容も複数あるなど,全体としておおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
上述の(課題1)に関連して当該年度進めた研究については,現在実験的検証により性能を評価している段階である.今後はこれをさらに進めると同時に,十分な性能がでなければ,アルゴリズム的に工夫するなどの検討を行う.十分な性能が得られれば,実データを用いた実用可能性を検証する実験を行う.また年度が終わるまでには,成果を論文としてまとめる. (課題2)に関しては,当該年度得られたアルゴリズムを実データへ適用し,利用可能性の検証をさらに進めて(課題3)へとつなげる.(課題3)については,脳画像を用いた症状診断や,コンピュータ・ビジョンへの適用など,水面下で進めている議論を実験的検証にまで進める.また,一定のまとまったコードに関しては,ウェブ上で公開する予定である.
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