本研究は,シミュレーションと同時に研究者が結果を見るためのIn-situ可視化手法を研究した。そのため,スパースモデリングを用いて,ビッグデータの内在構造を分析して圧縮比と誤差を制御するとともに,高並列性を持つデータ圧縮手法を提案した。
今年度は,提案した並列圧縮手法と実際のシミュレーションを組み合わせた,In-situ可視化手法を提案した。その実現のために,圧縮アルゴリズム,データ共有方法,インタラクティブなレンダリング手法の三つの課題を研究した。まず,圧縮アルゴリズムは,去年提案したポスト処理用の「m-swap」という並列圧縮手法をローカル空間に適用した。つまり,シミュレーションしながら,最初の数タイムステップに対して小さなグループを作り,グループ内でデータを圧縮する。その後もグループ毎に順次圧縮する。最終的には,グループとグループ間も再帰的に処理を繰り返して圧縮を行う。次に,シミュレーションと圧縮の間のデータ共有手法を提案した。データの規模に応じて「コード共有」,「メモリ共有」,「ハードディスク共有」三つのデータ共有の手法を提案した。この三つは効率が異なる。最後のインタラクティブなレンダリングについては,「HIVE(The Heterogeneously Integrated Visualization Environment System)」可視化フレームワークを利用した。
上記に提案した手法を「京」コンピューターで評価実験を行った。
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