研究領域 | 予測と意思決定の脳内計算機構の解明による人間理解と応用 |
研究課題/領域番号 |
26120711
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
地村 弘二 東京工業大学, 精密工学研究所, 准教授 (80431766)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 意思決定 / 衝動性 / 自己制御 |
研究実績の概要 |
まず,行動予備実験のセットアップを行った.過去においては刺激提示コンピュータの性能に依存して液体報酬量が不正確になることがあったので,異時的選択課題の刺激提示に従って,シリンジポンプからの液体報酬量の制御が正確であることを確かめた.また最新のハードウェアに対応できるよう,ポンプ・コンピュータの入出力の再設計を行った.さらに日本人被験者が課題を遂行できるよう,刺激提示スクリプトの日本語化を行った.単語によるスタンバーグ型作業記憶課題が含まれるため,材料の収集を行った.また,予備実験において,複数のデザインをテストするための計画とスクリプティングをおこない,予備実験の準備が整った. 機能的MRIの実験計画のために過去の研究(Jimura et al. J Neurosci 2013)のデータの再解析を行った.今回の研究は,液体報酬の経験により後の四股運脳活動がどのように変化するかに焦点が当てられているため,論文未発表である液体報酬消費時の脳活動の解析を行った.液体報酬消費時の前頭前野の脳活動は被験者の遅延割引率と相関あることがわかり,報酬強化後の報酬消費は安定的であっても自己制御と関連していることが示唆された.この結果はMRI実験のデザインは報酬強化後の脳活動を統制条件としなければならない可能性を残しているが,報酬強化実験において十分な強化試行があれば統制を取ることができる,という判断をした.すなわち,報酬強化セッションの終了を統制条件として解析を行う予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
過去データの解析を行うことによって,実験デザインの計画がほぼ終了したため.このため予備実験を最小限にすることができた.予備実験を数人行うことによって機能的MRI実験を行うことができる状況まできたため.
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今後の研究の推進方策 |
予備実験を数人行い,機能的MRI実験を行い,データ解析を行う予定である.
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