研究実績の概要 |
今期われわれは、大脳基底核の活動パターンと類似した「眼のゆらぎ(固視微動)」からサッケードの意思決定過程を予測できることを発見した(Watanabe et al,2014)。また、同様のサッケード課題を用いて注意障害の児童の意思決定過程の特徴を見いだした(Kitamura et al, 2015 in press)。 さらに、サルの注視中の固視微動(Okada and Kobayashi, 2014)と、パーキンソン病、進行性核上性麻痺などと関連の深い脳幹アセチルコリン作動性の脚橋被蓋核のニューロン活動との関係を明らかにした。 また、脚橋被蓋核の周期的ニューロン活動が眼球運動課題遂行時の注意、覚醒レベルの維持に関与していることが明らかになった(Okada and Kobayashi, Submitted)。これらよりより、脳深部疾患による固視微動動態や大脳皮質、脳幹、大脳基底核の大規模ネットワークの協調活動が、視覚認知、意思決定、予測発現などの行動異常を繋ぐ神経回路機序が明らかになった。 tDCSの全脳での効果を調べるためサルtDCS中の7TMRI画像を取得中である。
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