成果取りまとめ
本研究成果取りまとめは、「配位アシンメトリ」で得られた新しい物質創成の学理と創成された新物質群を世界に広く波及させるべく、これまでの研究成果の内容を精査し、新たに国際学会や公開シンポジウムの開催、国際学術誌の総説・著書・教科書の活用、領域ホームページを活用した広報活動などにより国際情報発信を強化することにより、「配位アシンメトリー」をさらに発展させることを目的とした。また、本領域で推進した若手研究者育成の施策や国際活動支援の検証を行い、本研究に関わった多くの若手研究者も含めた、国際ネットワークの拡大・強化を図った。最初に、本研究領域から発表された約1,500報の学術論文・総説・著書を整理・分析し、融合基礎・実習コースの成果や受賞・昇進等の情報と共に最終報告書に取りまとめ報告した。その結果、最終評価として「A+」をいただくことができた。塩谷は終了後直後に、多元素金属イオンクラスターの非対称化に成功し、2022年にJ. Am. Chem. Soc.とNat. Commun.誌に成果を報告し、国内外から高い評価を得た。日本化学会の二つの国際学術誌の編集委員長である有賀と塩谷は、成果の一部を総説として欧文誌に発表し、「配位アシンメトリー」の関連論文31報をオープンアクセス論文として取り上げた。また、塩谷の代表的成果(Nat. Commun. 2020)は「現代化学」やSpringer Nature社の著書に解説文として発表された。当初企画した日英合同シンポジウムはコロナ禍で中止となったが、環太平洋国際化学会議の”Coordination Asymmetry”セッションを主催し、領域内外の多くの研究者の参加を得て、活発な研究交流を行うことができた。「配位アシンメトリー」の普及化は、塩谷を含め多くの領域メンバーが開始した新たな関連プロジェクトにより、さらに促進されることが期待される。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023 2022 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 5件、 招待講演 5件) 備考 (1件)
Dalton Trans.
巻: 52 ページ: 3295-3299
10.1039/D2DT03436K
Nat. Commun.
巻: 13 ページ: 4288-4288
10.1038/s41467-022-31891-3
J. Am. Chem. Soc.
巻: 144 ページ: 2156-2163
10.1021/jacs.1c10450
http://www.chem.s.u-tokyo.ac.jp/users/bioinorg/index.html