本研究は,平成30年度から令和4年度にかけて実施された新学術領域研究「ミルフィーユ構造の材料科学-新強化原理に基づく次世代構造材料の創製-」(研究代表者:阿部 英司)で得られた成果において,特に普遍性の高い基礎的な内容を選択し,材料科学の教科書ともなる英文科学本として出版することを主目的とした.この本を,世界へ広く,かつ効率的に多数の読者へと発信するため,科学系では世界で最も大きな影響力を持つ出版社のひとつであるSpringer Nature社と協議を重ねて出版するに至った.同社は,世界で最も大きな科学者読者層を有するだけでなく,科学本のOpen Access出版を積極的に進めており,本研究趣旨とも合致する.同社とOpen Access出版へ向けて著者選定,および原稿レビュー作業を進め,これらが整った段階で査読を受けた結果,本の出版が正式に決まった.また,同書コンテンツが材料科学の新しい概念を含むと判断され,書籍シリーズ"The Materials Research Society Series"へと加えられることも決定した.従って,同書は新学術領域研究の成果報告としての側面のみならず,材料科学を学ぶ大学院生や,新しい軽合金の開発を目指す研究者・技術者等,構造・組織と-材料力学特性の関係に興味を持つ方々の教科書となることが期待される. Book title: “LPSO-structured Mg Alloys : unique structure and kink deformation” Ed. E. Abe and Y. Kawamura DOI: 10.1007/978-981-97-2037-8
|