Project/Area Number |
12036213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡野 栄之 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60160694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤本 和延 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90282350)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 神経幹細胞 / 造血幹細胞 / 血液細胞 / フローサイトメトリー / 可塑性 / 骨髄移植 / ニューロン前駆細胞 / 蛍光蛋白質 |
Research Abstract |
造血幹細胞の分化系譜の研究は細胞特異的な表面マーカーとフローサイトメトリーを用いた細胞の同定分離方法の確立によって飛躍的に進歩した。一方、神経系の細胞系譜の研究には、このような方法論が十分確立されていない。我々は、神経系の幹細胞・ニューロン前駆細胞・ドーパミンニューロンなどに強く発現する遺伝子のプロモーターの制御下で蛍光蛋白質を発現するトランスジェニック動物を用いて、これらの細胞を生きたまま同定分離することに成功した。個体の様々な組織には幹細胞が存在し、何らかの理由により失われた細胞を補充して恒常性を維持している。これらの幹細胞は各々の組織を構成する細胞のみを産み出すものと考えられてきたが、近年幹細胞が他の組織の細胞にも分化する能力を有することが明らかになりつつある。我々は、試験管内で増殖させた神経幹細胞を血液中に移植し、神経幹細胞から血液細胞が産生されるかどうか検討を行った。B6Ly5.1マウスに致死量の放射線を照射して造血能を失わせた後で、B6Ly5.2マウス由来の神経幹細胞100万個をレシピエントマウスの生存を保証するためのB6Ly5.1由来骨髄細胞20万個と共に、そのマウスに移植した。その後、血液中の細胞をフローサイトメトリーを用いて長期間に渡って解析したが神経幹細胞(B6Ly5.2由来)から血液細胞が分化したことを示すデータは得られなかった。海外の研究者によって、ある実験的条件下においては神経幹細胞が血液細胞を産生することが報告されている。造血幹細胞は、造血疾患の治療のための重要な材料であるが、試験管内で増殖させる技術が確立されていないため確保が困難である。一方神経幹細胞は、試験管内で比較的容易に増殖させることが可能である。従って、今後更に検討を加えて、神経幹細胞から血液細胞を産生させることが可能になれば、白血病などの治療に役立つものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)