エピソード記憶形成の一過程としてのカントールコーディングの実証モデル
Project/Area Number |
17021001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
津田 一郎 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (10207384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
行木 孝夫 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40271712)
塚田 稔 玉川大学, 工学部, 教授 (80074392)
藤井 宏 京都産業大学, 工学部, 教授 (90065839)
由利 美智子 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70174836)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
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Keywords | エピソード記憶 / カントルコーディング / コンパートメントモデル / 動的連想記憶 / 時系列コード / カオス的遍歴 / 海馬 |
Research Abstract |
次の三点の成果があった。 (1)中隔核の抑制性ニューロンからの海馬CA1、CA3抑制性ニューロンへの脱抑制が周期的に入力されると仮定する。海馬CA1のニューロンモデルをシグモイド関数とする。CA1ニューラルネットの構造は局所的であるとすると、次の定理が得られる。 定理 k個の異なる信号が必ず存在して、それらの任意の時系列に対してCA1錐体細胞の膜電位の空間にオーバーラップのないカントルコードが実現できる。このとき、これを実現するニューロンの個数Mはカントルコードの深さ(記憶できる時系列の履歴の長さ)d、信号の種類kに対して、M=1.5(d-1)(k-1)k^<d-1>で与えられる。ただし、ここでのカントルコーディングはカントル集合そのものへのコードではなく、時系列情報の空間への階層的なコードのことを意味する。 (2)CA1モデルとして反回性結合のない錐体細胞にシャーファー側枝が結合したネットワークを考える。各ニューロンは2-コンパートメントとして結合微分方程式系で構成した。まず、AMPAチャネルの効果のみを調べた。ある一定時間ごとにランダムに選ばれた複数のパターンを入力し、一周期にわたる各ニューロンの平均膜電位、最大膜電位などを変数にとり、ニューラルネットの膜電位空間の構造を調べた。その結果、入力時系列が階層的にカントル集合上にコードされていることがわかった。 (3)玉川大学福島氏による第一段階の予備実験によって、カントル集合様の神経活動が観測された。同様のものは、(2)のモデルニューロンにおいて実験と同条件にしたときにも見出された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)