日露戦争後から第一次大戦勃発にいたるオーストリア=ハンガリーの東アジア外交の研究
Project/Area Number |
21912001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
法学・政治学・経済学・経営学
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Research Institution | 学習院高等科 |
Principal Investigator |
島田 昌幸 学習院高等科, 教員
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Project Period (FY) |
2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥580,000 (Direct Cost: ¥580,000)
Fiscal Year 2009: ¥580,000 (Direct Cost: ¥580,000)
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Keywords | 国際政治史 / 日欧関係史 / ハプスブルク |
Research Abstract |
本研究は、日露戦争後(1905)から第一次大戦勃発(1914)に至る全世界的な国際関係の再編の流れの中でのオーストリア=ハンガリーの東アジア外交の展開を、日墺英米の一次史料をもとに明らかにすることを目的としている。19世紀後半から20世紀にかけて本来欧州的な「国際社会」の枠組みが全世界的に拡大したことをH.ブルは「国際社会の拡大」といったが、本研究では特にアジア太平洋方面への「国際社会の拡大」過程を、「19世紀型」の国際秩序の形成者にして破壊者であるオーストリアというプリズムを通じて見ることで、従来の第一次大戦前の国際政治史研究に新たな光をあてようとするものである。 研究実施計画の通り、2009年7月にかけては都内諸大学が保有する米国国務省文書に基づき、オーストリアの対中国借款事業参入に関する米国務省の対応を探った。外務省外交史料館(飯倉)ではオーストリアの在東京公館について調査した。その結果、従来断片的な紹介にとどまっていたオーストリア=ハンガリーの在日公館の足跡についてほぼ正確に把握することができた。これは『学習院高等科紀要』(第7号)に"The Austro-Hungarian Embassy(Legation)in Tokyo(1869-1914)"として掲載し、欧米の専門家から好意的な反応を得た。8月にはウィーンのオーストリア国立文書館、帝室・宮廷・国家文書館(HHStA)を訪ね、ハプスブルク外務省文書を閲覧し史料のデジタル複写を依頼した。特にオーストリアの外交官の東アジア・太平洋方面の国際情勢理解を明らかにするため、外務省本省と在京・華大使館との間の訓令や報告書を調査した。また1914年の日墺の国交断絶突入過程について、また在東京公館についての史料も収集した。これらの史料はオーストリア=ハンガリー外務省の東アジア・太平洋方面への認識と具体的な政策を明らかにするもので、学位論文として結実させたい。
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Report
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Research Products
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