2023 Fiscal Year Comments on the Screening Results
Project Area (Abbreviation) | タンパク質寿命 |
Project/Area Number |
23A301
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Area Organizer |
村田 茂穂 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (20344070)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Summary of the Research Project |
タンパク質は身体を構成する必須の機能素子であり、数千から数万種類に及ぶセットと存在量により細胞・組織の機能が形作られている。この際、タンパク質合成と両輪をなすのがタンパク質分解である。個々のタンパク質は数分から数年の千差万別の寿命を持つ。しかし、タンパク質は形作られた後にどのように寿命が決定されるのか、その仕組みは明らかではない。また、細胞が機能を大きく変化させるときには、タンパク質構成を大幅に作り替える必要がある。しかし、様々な生命現象や病態によって、時間軸を伴った選択的かつ大規模なタンパク質分解が生じる機構は不明である。本領域では、タンパク質寿命の仕組みを識る、測る、操ることにより「タンパク質寿命が制御するシン・バイオロジー」(シンは新/真/深を表す)の理解を目指し、生命現象の理解に新たなパラダイムを構築することを目的とする。
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Outline of Opinions Expressed in the Review Results |
タンパク質は生命現象を司る分子であり、個々のタンパク質寿命を決定する仕組みは生物学の中心的問いの一つである。細胞機能の変化に伴う、タンパク質の大規模かつ選択的な分解の制御機構も十分に理解されていない。本研究領域は、タンパク質寿命の理解を進め、これを応用したタンパク質寿命制御も目指している。一見、古典的なテーマのように見えるが、質量分析や情報解析技術が進展した今こそ実行できる研究領域であり、時宜を得ている。また、ケミカルバイオロジーや情報科学の技術を取り入れ、力量のある研究者らの共同研究体制が構築されており、質の高い研究成果とこの分野の発展が期待される。
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