2023 Fiscal Year Comments on the Screening Results
動的な生殖ライフスパン:変動する生殖細胞の機能と次世代へのリスク
Project Area (Abbreviation) | 生殖ライフスパン |
Project/Area Number |
23A304
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Area Organizer |
北島 智也 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (00376641)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Summary of the Research Project |
生殖機能の開始点と終了点で二値的に捉えられてきた生殖ライフスパンを、動的な概念に変革する。「動的な生殖ライフスパン」では、生殖細胞が配偶子を作る機能と、次世代へ伝わるリスクが、ライフ時間依存的に変動することで、生殖機能の獲得・維持・調節・減衰が進行する。本領域では、従来研究が困難だった成体期に特に注目し、生殖細胞が示すこれらの変動とその要因を解明する。そのために、生殖細胞変動を定量的に解析する革新的技術を開発する。発生学が牽引してきた生殖細胞研究に広く生命科学の人材が集結することで、発生期から成体期、加齢期を通貫したライフ時間全体を俯瞰する学術領域に変革し、生殖ライフスパンを操作する基盤を提供する。
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Outline of Opinions Expressed in the Review Results |
次世代へと遺伝情報をつなぐ精子や卵子などを生む生殖細胞の研究は社会的な意義も大きく、生命科学の重要な柱の一つである。本研究領域は生殖細胞研究の対象を、従来の発生期及び幼若期から、後期を含む長期ライフスパンにまで向け、とくに時間軸に沿ったその動的な姿をとらえることによって生殖細胞研究に新しい概念をもたらすことを目的としたものである。本研究領域は同分野を世界的にも牽引してきた研究者が核となり、染色体分配やゲノム配列の安定性など生殖細胞機能の維持機構ばかりでなく、未知の生殖細胞特有の細胞機構の発見に向けてよく構想されている。今後、本研究領域内での共同研究に加え、新たな着想や技術をもたらす公募研究者との相互作用によって、世界を先導する研究成果を生むことが大いに期待される。
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