2023 Fiscal Year Comments on the Screening Results
複雑な社会を維持する知性の源流を探る「認知進化生態学」の創成
Project Area (Abbreviation) | 認知進化生態学 |
Project/Area Number |
23B402
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (B)
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Area Organizer |
高橋 宏司 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (70723211)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Summary of the Research Project |
近年、ヒト・類人猿・社会性哺乳類といった高等脊椎動物だけが持つと考えられてきた「賢さ」(複雑な社会性・高い認知能力・脳機能)が水圏動物(魚類・頭足類・甲殻類)でも相次いで発見され、従来の動物全般の「賢さ」の常識を根本的に見直す必要が出てきた。本領域研究では、それらを把握すべく、現在まで個々に研究されてきた生態・進化・認知・脳科学を融合した世界でも例のない「認知進化生態学」を創成する。新興領域研究では、分類群内外での比較研究が容易な水圏動物を用い、動物全般の「賢さ」の検証、その進化要因と維持機構の解明 、そして、ヒトの賢さとその起源についても相対的かつ客観的に見直すことを目標とする。
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Outline of Opinions Expressed in the Review Results |
本研究領域は、さまざまな領域で人間中心主義的な心的能力観が見直されつつある中、従来あまり研究されてこなかった多様な水圏動物を対象として、その社会的認知、個体識別、自己意識などの認知能力を明らかにして、その観点から「賢さ」や「知性」についての新しい概念を得ると同時に、生態・進化・認知・脳科学を融合した認知進化生態学を創成しようとする研究領域である。応募に至る背景と経緯は明確であり、それぞれの分野で高い研究遂行能力を有する少人数の研究グループで取り組む内容になっており、領域構想は合理的である。本研究領域の新規性と独自性、行動科学や心理諸科学、神経科学など関連領域への波及力、国際的な連携、計画の具体性を考慮すると、学術変革領域研究としてふさわしい研究領域であると判断される。「賢さ」や「知性」といった基本概念の定義、それぞれの知的能力を測定する基準や方法論の更なる検討、計画研究間の有機的な連携等の課題を踏まえた展開が期待される。
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