2015 Fiscal Year Research-status Report
3D活性サイト科学の海外拠点・国際ネットワーク構築
International Activities Supporting Group
Project Area | 3D Active-Site Science |
Project/Area Number |
15K21719
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
大門 寛 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (20126121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 裕次 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (30344401)
野村 琴広 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (20304165)
林 好一 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20283632)
木下 豊彦 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 主席研究員 (60202040)
若林 裕助 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (40334205)
細川 伸也 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (30183601)
松井 文彦 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 准教授 (60324977)
筒井 一生 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (60188589)
福村 知昭 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90333880)
森川 良忠 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80358184)
小林 伸彦 筑波大学, 数理物質科学研究科(系), 准教授 (10311341)
郷原 一寿 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40153746)
山田 容子 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (20372724)
松下 智裕 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 制御・情報部門, 主席研究員 (10373523)
鷹野 優 広島市立大学, 情報科学研究科, 教授 (30403017)
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Project Period (FY) |
2015-11-06 – 2019-03-31
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Keywords | 活性サイト / 不純物 / 先端材料 / 光電子ホログラフィー / 蛍光X線ホログラフィー / 表面界面ホログラフィー / 電子回折イメージング / 第一原理計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
国際支援活動班の目標は新学術領域研究「3D活性サイト科学」を基盤とした強い日本の科学技術を世界に広めることである。まず、ホログラムデータ形式の標準化や解析コードの配布を目指したデータベース構築を始めた。そのために有力な海外研究者を本新学術領域研究活動に参画させ、本領域の概念と意義について深く理解するユーザー開拓を行っている。また、国際活動支援体制の基盤作りとして、欧州の放射光実験施設内に拠点の設置を準備している。中型放射光施設MAX IV(Sweden)に出向き、施設責任者と拠点活動についての協議を行った。並行してESRF(仏)とSLS(Swiss)にて共同実験を行った。松下・松井・大門らが開発している小型・高性能分析器をMAX IV/SLSの軟X線ビームラインに設置することを前提に、実際に現地で共同製作するなど技術供与・共同研究の具体案を協議した。この新型分析器の重要部品である高精度加工電極メッシュは国内で準備する。さらに蛍光X線ホログラフィーについては高速蛍光X線検出装置を新たに現地で製作して、ESRFのゴニオメータに組み込む。装置の重要部品である湾曲グラファイトは国内で準備し、他の部分は林・細川が主導して現地で共同開発する。第一原理オーダーN法コードConquestへの有限温度分子動力学法と、反応自由エネルギー障壁計算手法の組み込みにボルドー大グループと共同研究に着手した。不均一触媒反応に適用し、大規模シュミレーションによるナノ触媒の特異な反応性を発現する「反応の活性サイト」の構造と電子状態を調べ、反応性を支配する要因について明らかにすることを目指し、森川が現地で基盤づくりのための打合せを行った。蛍光X線ホログラフィー測定の検出器として新たに候補となるエネルギー分解型光子数計数2次元検出器の適用について、佐藤が開発元であるDESYグループへ赴き、共同研究及び試用実験の可能性について協議を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本領域メンバーは個人レベルで国外放射光施設での実験が日常化しており、また領域メンバーを海外で継続的に活動できる海外研究拠点についても、申請準備段階から協議を続けてきた。今回、ESRFおよびスイス放射光施設にてビームタイムを獲得し、共同実験を実施し、並行して当新学術領域の活動にて開発してきた分析器・解析ソフトの普及について議論する機会を確保できた。海外で使用する分析器用の直流電流・電圧発生器および湾曲グラファイトの購入を予定通り行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度に引き続き、2次元光電子検出装置と高速蛍光X線検出装置の開発を欧州の海外放射光施設において進める。また、それらを用いて原子分解能ホログラムの測定を行う。国内から、特に若手研究者を派遣し実験を行う。測定法については分かりやすい英語版の動画を作成し、YouTubeにアップロードするなどの活動も行う。 Neel研究所を拠点に、欧州内の優れた試料を収集するが、より先端の計測を要する場合には、装備の整っている国内施設での実験が望ましい。この場合16年度以降のビームタイムを海外研究者のために、成果公開優先課題等の制度を利用して確保し実験を行う。一方、LIGA プロセス発祥の地である独Karlsruher工科大学グループと、表面・界面ホログラフィーに最適化したX線集光素子の共同開発を行う。また、有機物質については、Marburg大を拠点とした探索を行う。 初年度に引き続き、London大及びBordeaux大と共同で大規模シュミレーションコードの開発を行う。Conquestコードに自由energy計算手法を組み込み、数万から数十万原子を含む不均一触媒反応のシュミレーションを可能にすることによって、不均一触媒の活性サイトの構造と電子状態、クラスターサイズと反応性の関連性について、活性サイトの原子配列の結果と併せることによって機構を解明する。国際共同研究の拠点となるMAX IVと共同で2017年度に3D活性サイト科学の研究交流ワークショップを計画している。 これらの計画を実行することにより多くの成果が得られる。関わった研究者らを一堂に集め議論する機会が、コミュニティを形成する上で重要である。そのための準備として海外研究協力者や国際アドバイザーとの打ち合わせを行う。
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Causes of Carryover |
平成27年度に購入予定であった「楕円メッシュ電極」(一式)が製造業者の都合によって納入が遅れているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度前半にすべて納入予定。
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Remarks |
共同研究国(外4か国):Norwegian Univ. Sci. Technol.(Norway), Gatan Inc.(USA), Aalto University(Finland), Lomonosov Moscow State University(Russia)
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