2017 Fiscal Year Research-status Report
日豪細胞死研究協議会を核とした細胞死研究国際コミュニティの形成
International Activities Supporting Group
Project Area | Homeostatic Regulation by Various Types of Cell Death |
Project/Area Number |
15K21753
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
田中 正人 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (00294059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 裕康 東邦大学, 医学部, 教授 (70276476)
田中 稔 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 細胞療法開発研究室長 (80321909)
須田 貴司 金沢大学, がん進展制御研究所, 教授 (70250090)
安友 康二 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 教授 (30333511)
山崎 晶 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (40312946)
山口 良文 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (10447443)
袖岡 幹子 国立研究開発法人理化学研究所, 主任研究員研究室等, 主任研究員 (60192142)
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Project Period (FY) |
2015-11-06 – 2019-03-31
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Keywords | 細胞死 |
Outline of Annual Research Achievements |
中野は、Silke博士(WEHI)とのMLKLの恒常的活性化体に関する共同研究を継続し、朴雪花をSilke博士の研究室に継続して派遣した。さらに、ネクロプトーシスのFRETを用いた共同研究をHildebrand博士と行い、共著論文を投稿した。 安友は、昨年度に引き続き、Lessene博士(WEHI)とMLKL阻害剤による肺線維症の治療効果の共同研究、およびNunez博士(Michigan University)とNLRC4活性化による細胞死に関する共同研究を行った。 山崎は1) Stocker博士(Victoria University)と新規CLRアンタゴニストに関する共同研究成果を論文として発表した (J Med Chem. 2018)。2) Limper博士(Mayo Clinic)とのCLRが組織損傷に及ぼす影響に関する共同研究成果を論文として2報発表した(Am J Respir Cell Mol Biol. 2018 および J Immunol. 2017)。3) Malissen博士(INSERM)の研究室に森大輝を派遣し、スカベンジャー受容体の制御機構に関する研究を行った。4) 大学院生Anna Knieper(Germany)を大学院特別聴講学生として受け入れ、新規生体内結晶を認識するCLRに関する研究を行った。 山口は、班員の白崎とともに、Pasparakis博士(University of Cologne), Loo博士(VIB, Belgium)と炎症性細胞死からのサイトカイン分泌可視化に関する共同研究を行った。また、Fleishmann博士(University of Bonn)とアポトーシス可視化マウスを用いた共同研究を行った。 須田はZhang博士(Xiamen University、中国)との共同研究によりATP誘導マクロファージ細胞死の分子機構の解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は上記のように、昨年度から継続して行なわれたものも含めて、12件の共同研究を行うことができた。共同研究先も、本研究の主要な連携先であるオーストラリア、ニュージーランドに加えて、アメリカ、フランス、ドイツ、ベルギー、中国と多岐に渡っており、当初の予定通り、本支援による共同研究のネットワークがオーストラリアから世界に広がりを見せている。また、本支援による国際共同研究の成果が、共著論文として発表されていることも、高い達成度と評価する根拠となっている。共同研究先への若手研究者の長期および短期の人的交流も継続して行うことができており、これが共同研究先との緊密かつ持続的な連携につながっていると考える。来年度は、本基金の最終年度にあたり、日本で日豪細胞死研究協議会を開催する予定である。これにより、さらなる共同研究の広がりが期待できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.国際共同研究および交流のさらなる推進 本年度行われた12件の共同研究を来年度も継続して行うとともに、新規の共同研究を追加していく。具体的に、現在予定されている活動(人的交流)は、1) 山崎は、Malissen博士を 異物認識受容体を介するシグナル制御に関する研究打ち合わせのために招聘予定であり、また、Lantz博士を自己免疫疾患に関わる新規T細胞サブセットとその内因性リガンドに関する研究打ち合わせのために招聘予定である。さらに、大学院生の渡邊みゆきを脂質結合粒子を用いた受容体リガンド相互作用に関する共同研究を実施するため、Hung-Jen Wu博士の研究室に派遣予定である。2) 中野は、朴雪花をSilke博士の研究室に継続して派遣する(H30年9月まで)予定であり、またHildebrand博士を打ち合わせのために招聘予定である。 2.日豪細胞死研究協議会および日豪細胞死研究若手協議会の開催 オーストラリアの細胞死研究者との緊密な連携を図ることを目的として、2018年5月に東京で、国際シンポジウムを兼ねた日豪細胞死研究協議会を開催する予定である。この際に若手研究者間の交流促進のために、参加を希望するオーストラリアの若手研究者約20名に旅費と宿泊費をサポートし、日豪細胞死研究若手協議会を合わせて開催予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)各班員の国際共同研究の件数、およびそれに伴う人的交流の予定件数を考慮して分担金額を決定したが、共同研究の進捗により一部繰越金が生じた。さらに、あらたに採択された公募班の国際共同研究や、若手研究者の者の国際会議派遣費用に当てる予定であったが、これらの案件が当初の予想より少なかったため、剰余分は繰り越すこととした (使用計画)平成30年度に予定されている日豪細胞死研究協議会に合わせて、日豪若手細胞死研究協議会を開催する。すでに希望調査により20名程度の海外若手研究者が参加を希望している。この中で、所定の手続きを行い、一定の基準をクリアした希望者には、交通費および宿泊費を本基金から支出する計画である。この若手協議会には、本領域の若手研究者も多数出席予定であり、総勢で40名以上の若手研究者の交流会となる予定である。その他、研究分担者による国際共同研究の多くが継続する予定のため、繰越金は来年度の消耗品代や人的交流のために充当する予定である。
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Research Products
(6 results)