2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Frontiers of materials science spun from topology |
Project/Area Number |
15H05851
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川上 則雄 京都大学, 理学研究科, 教授 (10169683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤澤 利正 東京工業大学, 理学院, 教授 (20212186)
佐藤 宇史 東北大学, 理学研究科, 准教授 (10361065)
田仲 由喜夫 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (40212039)
新田 宗土 慶應義塾大学, 商学部(日吉), 准教授 (60433736)
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Project Period (FY) |
2015-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | トポロジー / 物質科学 / 強相関 / 対称性 / ナノサイエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度、総括班は領域運営として以下のような活動を行った。
●「総括班会議」:領域研究会(仙台)と日本物理学会(金沢大学、大阪大学)の会期中に総括班会議を開催し、運営方針や研究計画について協議した。●「領域研究会」: 東北大学において第2回領域研究会を開催し、本新学術領域の成果を発表するとともに、最新の話題に関する研究討論を行った。●「トポロジー連携研究会」:計画研究間の連携を強化するための「Interdisciplinary topics」(慶應義塾大学)と「奇周波クーパー対の物理」(名古屋大学)を開催し領域内の連携をさらに強化した。●「若手励起プログラム」:若手研究者の育成を行うため、領域内の他研究室に若手を派遣した。本年度は、9人の若手がこのプログラムを活用し、滞在先で集中的な議論を行った。滞在報告書の内容から満足度もたいへん高いことが分かった。●「アライアンス・ワークショップ」:本年度はワークショップを、9月にシュツットガルトでドイツ・マックスプランク研究所と共催、12月にタヒチでEPiQS(アメリカのプロジェクト)と共催、年が明けて2月に京都で北京大学と共催した。●国際活動支援の一環として、研究者の派遣・招へい(REP)を10件、若手研究者の派遣・招へい(JREP)を7件実施した。●「WEB広報」:領域ウェブサイトのコンテンツを充実させ、領域の成果のページを充実させた。●「ニュースレター」:領域の成果や最近の話題などを冊子体として発行した(第2号)。新たに加わった公募班メンバーの紹介も行った。●「アウトリーチ」:高校への出張授業や学部生対象の入門的講義、オープンラボなどを数多く実施した。●「国内アドバイザー」:領域研究会の総括班会議において領域運営や研究推進に関して頂いた助言を運営・研究に反映させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本領域研究では、領域研究者間の連携の強化、自立した若手研究者の育成、国際活動ネットワークの形成、成果の社会への還元に重点を置いている。これらの点に関して、H28年度も充実した活動を行った。
●連携の強化のため、第2回領域会議(仙台)を利用し異なる研究項目に属する研究者間の交流を深めた。さらに分野融合型の連携研究会を慶應義塾大学と名古屋大学で開催し、異なる分野間の連携を密にした。●自立した若手研究者の育成に関しては、本年度「若手励起プログラム」に9人の大学院生が参加し、活発な議論を通しての互いに大きな刺激を与えあった。特に実験から理論、逆に理論から実験へと専門を変えての滞在が複数あり、若手研究者がその知見を広げる有意義な機会となった。●本年度の領域活動の目玉は国際活動ネットワーク形成の進展である。上に記したように、既にアライアンスワークショップを3回開催し、さらに国際派遣プログラムを利用して若手を含む研究者の派遣と招へいを17件行った。これらは国際連携を充実させる上での重要なステップとなる。●領域ウェブページに研究成果などの内容を充実させた。●ニュースレター第2号を発刊し、トピックス記事、研究会報告、公募研究メンバーの紹介などを掲載した。●平成29年4月1日現在で、7名のポスドクを雇用しており、各研究グループで成果をあげている。今後も着実に研究を進めるものと期待される。●アウトリーチに関して、高校での出前授業、オープンラボを実施するなど着実に活動を行ってきた。
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Strategy for Future Research Activity |
以下の予定で今後の領域運営をおこなう。
●平成29年度は領域研究会を国際会議として東工大で開催し、これまでの成果を発表し、さらに国際連携を深める。平成30年度は名古屋大学で国内会議として、平成31年度は京都で国際会議として領域研究会を開催する。●若手励起プログラムがたいへん有効に機能していることが分かったので、大学院生やポスドクに活用を促し、若手育成の場を提供する。●国際活動支援班の目玉としているアライアンスワークショップを今後も定期的に開催し、国際連携ネットワーク形成を推進する。平成29年度は、イタリア(SPIN)および中国(北京大学)とワークショップを共催する予定である。国際交換プログラムでは、シニアな研究者および若手研究者の派遣・招へいを充実させ国際連携を加速する。●今後ともアウトリーチ活動の充実を図る。市民講座や高校生向けの授業などに加えて、サイエンスカフェなどを開催し科学の面白さを普及する。ウェブ広報も利用し研究成果を分かり易く発信する。●ポスドク雇用はかなり充実してきており、研究成果につながり始めている。●今年度より参画した公募研究者は計画研究との連携研究を開始し、成果を出し始めている。今後とも、計画研究と公募研究の連携の強化を図る。●運営方針や研究計画について協議するため、総括班会議を頻繁に開催する。計画通りに進まない研究項目が生じたら総括班会議で対策を協議し解決策を探る。アドバイザーからの領域研究・運営への評価を基に、計画の改良を行う。●採択時のコメント「トポロジーを基軸とする新たな観点から新しい物質や物理が創出されるのか」という質問に関しては、回答となる具体例をさらに蓄積する。また「他分野の研究者にも理解できるような説明の明快さと具体例の提示」に関して今後とも実績を積み重ねる。
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Research Products
(5 results)