Administrative Group
28年度の総括班では、既に、班としてのシステムの構築がほぼ終わっているために、既存の共有装置の維持管理が主なものになる。2機の3Dプリンターは、全班員の研究に有効に使用されている。28年度に、総括班費で購入した機器は、顕微鏡用の共焦点レーザーユニット(北海道大学:999万円)と、ズーム顕微鏡(基礎生物学研究所:299万円、原子間力顕微鏡の一部として購入)である。いずれも、他の資金で購入したパーツと組み合わせることで、購入金額の節約をしている。両装置とも、3D形態の計測に必須であり、共同利用が進んでいる。班会議は北大で、5月23,24日に行った。理論系と実験系の交流を目的とする夏、冬の合宿は、9月4,5,6日と、3月28、29日に、淡路島、琵琶湖で行った。いずれも、学生の旅費の補助を総括班費から支出している。これまで、合宿は主に比較的少人数で行ってきたが、2016年度は、公募班員からの希望が多かったために、冬の合宿では会場を変えた。非常に活発な議論が行われたが、参加者が多くなりすぎたため、プロジェクトごとの議論の時間が逆に短くなり、やや、食いたりない面もあった。この点の解消が、今後の課題として残された。北海道大学の秋山は、定期的に、数学と3Dソフトの講習会を行っており、そのための実費(交通費、宿泊費)の支援を行った。その他、HPの更新に約30万円を支出している。
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
共同研究が非常に密に、しかも、多彩な組み合わせで行われており、総括班の目的は、順調に達成されていると考えている。実験チームと物理・理論チームの組み合わせは、丹羽(実験)-秋山(理論)、武田(実験)-秋山(理論)、松野(実験)-秋山・松本(理論)、近藤(実験)-秋山・井上・松本(理論)、上野(実験)-井上・松本(理論)となっている。いずれの場合も、表面的な協力ではなく、理論系によるシミュレーションの予測が、実験のデザイン上、必要不可欠なものになっている、これからも、この関係が継続することが予測される。特に、近藤チームの、昆虫原基の折り畳みの展開の研究は、その傾向が強い。複雑な折り畳みが展開したときに作る形態は、3次元ソフトを自作する以外にない。近藤研においては、実験とソフト開発の両方を行っているが、当然、専門家の指導が必要である。井上、秋山は、その技術の専門家としての能力以外にも、実験系との共同作業により、指導の技術も身に着けている。武田研、松野研でも、実験研究者の中に、理論系の考え方を理解し、さらには自作で解析ソフトを作る人材も現れている。このこと自体が、本研究班の目的の一つであり、今後も推進していきたい。
本研究班は、3Dに特化した形態形成という、非常にとがった研究対象を持ち、研究開始時には、ほとんどのグループが新しい実験テーマに取り組んだため、予想通り、最初の2年間の発表論文数は多くない。しかし、データは着実に蓄積しており、論文業績は今後、遅延なく積み重ねていけると考えている。(例えば、最も新奇な内容であったカブトムシ角の研究も2017年に論文化。続報も登校中である。2018年4月現在)今後は、それをさらに促進するために、我々のグループが、発生学の分野でより一層の存在感を得るための努力が必要であると考えている。方策は、(1)外部との共同研究の促進、(2)HPの充実、と考えている。(1):これまでの研究の結果、いくつかのグループは、3D形態の測定等に必須な新しい実験技術を開発している。例えば、近藤グループの折り畳み計算ソフト、松野・松本グループの、臓器の回転力の計算装置、丹羽グループの任意の硬度の培地における細胞培養、など。これらの技術を国内外の一般研究者に開放することで、共同研究の促進を図り、研究班の目指す3D形態研究の流れを外部にも広げたい。(2):そのためには、技術を具体的に解説する媒体を持つ必要があり、現在運用しているHPにその機能を加えることを計画している。2018年度の夏までに、個々の研究の進行状況、技術の解説をわかりやすく伝えるサイトをアップすることを計画している。
All 2017 2016 Other
All Journal Article (13 results) (of which Peer Reviewed: 12 results, Open Access: 12 results) Presentation (14 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Invited: 8 results) Remarks (2 results)
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