2015 Fiscal Year Annual Research Report
なぜ宇宙は加速するのか? - 徹底的究明と将来への挑戦 -
Project Area | Why does the Universe accelerate? - Exhaustive study and challenge for the future - |
Project/Area Number |
15H05887
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村山 斉 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特任教授 (20222341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 伸彦 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 教授 (50290854)
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Project Period (FY) |
2015-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | インフレーション / ダークエネルギー / 素粒子 / 宇宙線 |
Outline of Annual Research Achievements |
総括斑では、領域全体の進展をモニターし、研究方針の策定にあたり、本領域が最大の成果を達成するよう計画研究および公募研究の間の調整を行った。具体的には、今年度は10月20・21日に発足シンポジウムを行い、領域代表者と9つの計画研究のうちの8つの計画研究代表者が領域の趣旨及び各計画研究の目的・内容・背景を詳しく説明した。研究分担者の講演、一般講演、招待講演も含めて2日間充実したシンポジウムとなった。また本領域で公募する公募研究の役割と期待される内容についての説明も行った。100名以上の参加者があった。2月8日には、第一回の総括班連絡会議を行った。会議では2017年度の活動方針、領域全体会議の日程候補決定、連絡会議の定例化、若手研究者ワーキンググループの形成、若手ワークショップの企画、サマー(ウインター)スクール、国際スクール、国際研究集会等の役割分担などについて議論し、決定した。 領域のWEBページを業者に依頼せずに立ち上げた。またVPNなどのソフトウエア環境の整備、各計画研究における担当者の決定を行った。 日本物理学会第71回年次大会において、素粒子実験領域、宇宙線・宇宙物理領域合同シンポジウム「熱いビッグバン以前の宇宙を探索する宇宙マイクロ波背景放射偏光観測衛星LiteBIRDへの期待」(主催片山:総括班・B01分担者)を開催した。講演は、Bモード偏光:インフレーション理論の実証を目指して(小松:D01代表者)、宇宙マイクロ波背景放射偏光観測衛星LiteBIRDの概要(羽澄:B01代表者)、量子重力理論からの予言(大栗:C01代表者)などであった。 3月20日には一般講演会「宇宙観の東西」において、C01分担者の野村泰紀が「マルチバース宇宙論ー最新物理理論の語る宇宙」と題した一般講演、10月30日にはインフレーション理論提唱者の一人でのAlan Guth氏がコロキウムを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
総括斑では、計画調書で申請したように採択後発足シンポジウムを開催し、計画研究代表者が領域の趣旨及び各計画研究の目的・内容・背景を説明したことに加え、本領域で公募する公募研究の役割と期待される内容についての説明をしたことで、計画研究にまたがる提案、萌芽的な理論・実験・観測のアイディアや、分野横断的な研究、本領域の計画研究と相補的なテーマの有望な公募研究24件を迎えることが出来た。年度末には第一回の総括班連絡会議を行い、学術調査官のTV会議システムを通じての意見交換、総括班評価者3名、全計画研究代表者が参加し本年の進捗、来年度以降の方針を活発に議論する機会を持つことが出来、領域全体のプロジェクトマネジメントの順調な滑り出しとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
本領域の研究を確実に達成するために、領域のマネジメントの観点から、総括班を以下のように組織する。宇宙初期、後期の加速膨張の物理を徹底的に究明することが本領域の目的であるので、理論、実験の計画研究班間の連携・シナジー(協奏)を促進し、また常時モニターするために、連携強化担当を2名置く。具体的には、インフレーション、素粒子物理、また宇宙の構造形成の理論班と連携し、トップダウン的にインフレーション、ダークエネルギーの加速膨張を自然に説明できる究極理論を探ることを目的とする連携強化担当を1名置く。また、宇宙背景放射、すばる望遠鏡、30m大型望遠鏡の計画研究班と連携し、多波長宇宙論データから加速膨張宇宙の物理を統一的に制限するための手法、究極的物理解析ツールの開発を目的とする連携強化担当を1名置く。人材育成担当者4名を置き、本領域の計画研究で雇用する博士研究員(ポスドク)、任期付きの特任教員については、総括班が氏名、所属、分野などを一括して把握し、領域内で情報を共有する。若手研究者のキャリアアップに資する施策を企画するとともに、領域内の人材データベースを管理する。領域の研究に関する学会講演の要請を把握し、成果発表、招待講演などvisibilityの高い講演を若手研究者に優先的に割り当てるように配慮する。領域事務担当を1名置き、領域代表者、計画計画の代表者間の定期的な戦略ミーティング; ビデオ、電話会議の場をセッティングし、領域全体および各計画研究の進捗状況を把握し、問題点への対処とより有効な研究方法を検討する。年度末(H29年2月頃)に領域全体のシンポジウムを開催し、関係研究者間の意見交換を促し、各計画研究の進捗状況および公募研究の進捗状況を把握し、また検討課題を洗い出し、その解決に向けた戦略を練る場を設ける。
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Remarks |
領域全体のプロジェクトマネジメントをあずかる総括班のため、論文、学会発表はない。
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Research Products
(2 results)