2016 Fiscal Year Annual Research Report
Why does the Universe accelerate? -Exhaustive study and challenge for the future-
Project Area | Why does the Universe accelerate? - Exhaustive study and challenge for the future - |
Project/Area Number |
15H05887
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村山 斉 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特任教授 (20222341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 伸彦 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 教授 (50290854)
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Project Period (FY) |
2015-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 宇宙物理 / インフレーション / ダークエネルギー / 素粒子 / 宇宙線 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度総括班は、計画研究代表者及び研究分担者、領域内の研究者が領域の趣旨・各研究計画の進捗状況を報告し、公募研究の目的の紹介・進捗状況を報告する場として3/8 -3/10の日程でB01計画研究代表所属の高エネルギー加速器研究機構にて新学術領域「なぜ宇宙は加速するのか?-徹底究明と将来への挑戦―」の研究会を開催。総括班評価者全3名の参加を含め国内外の若手を多く含む126名の参加を受け、活発な研究発表・議論がなされた。この開期中に総括班評価者を含めた領域代表者、計画研究代表者による総括班会議が設けられ、進捗状況確認と来年度以降の方針の議論ができた。3月30日には学術調査官2名と総括班によるSkypeでの年次報告の機会が企画され有意義な意見交換の場となった。 昨年総括班会議で割当られた人材育成担当による若手秋の学校「理論と観測から迫るダークマターの正体とその分布」が11/9-11/11の日程でB02、B04の計画研究代表所属の国立天文台で開催され、修士・博士過程の学生を中心に39名の参加者があり、所属機関は広く17機関に渡った。 研究計画に記載した市民向け講演会としては、C01“究極理論からの加速宇宙の解明”の大栗博司計画研究代表が超弦理論からのトップダウン的な素粒子模型の構成法としてあげるアプローチの1つである Dブレーンを発展させた歪んだ余剰次元の模型を提唱するハーバード大学のLisa Randall教授による一般講演会「ランドール博士の科学的探求:ダークマターがつなぐ宇宙・地球・生命」を6/9に開催。A01計画研究代表所属京都大学基礎物理学研究所から招待した向山信治教授の「4次元を超えるかもしれない宇宙」の講演も合わせて企画され、会場定員200名を大幅に上回る約900名の応募を受け、現役高校生も積極的に参加した質疑応答の時間もあり非常に活況なアウトリーチ活動となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
総括班の強力なマネジメントにより、領域内の各計画研究は順調に進んでおり研究成果も多く出されている。また、異なる計画研究に跨がる研究分野の開拓についてもボトムアップ的な小規模研究会を開催するなどして、特に若手研究者の研究を推奨している。大学院生・若手研究者の育成と啓蒙活動についても秋の学校などを開催し、多くの大学院生の参加を受け目的が達成できている。 本領域の研究の意義・目的・成果を社会に還元するためのアウトリーチの活動についても、総括班が中心となり積極的に推進できた。C01“究極理論からの加速宇宙の解明”計画研究班に関係する余剰次元の模型を提唱するハーバード大学のLisa Randall教授による一般講演会を開催し、高校生を含めた活発な質疑応答の時間を設けたアウトリーチ活動のアンケートでは、再度同分野での開催を強く希望するなど好評を得た。また、村山斉領域代表が企画協力・出演した加速宇宙に関する研究テーマを取り上げたNHK総合テレビ科学ドキュメンタリー1本、NHK BSプレミアム「コズミックフロントNEXT」2本は、科学の内容にも関わらず小学生から高校生も含めた幅広い世代に異例の反響があり、「宇宙」を通してサイエンスの大きな可能性を伝えることができた。 年度末には昨年に続き本領域の計画研究と相補的なテーマの公募研究を含めた領域全体の研究会を開催した。120名を超える参加者があり、領域全体の研究の進捗状況を確認し、新たな共同研究、特に異なる計画研究間を跨がる研究分野の共同研究の契機になるような議論、機会の場を提供することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本領域の研究を確実に達成するために、領域のマネジメントの観点から、総括班を引続き以下のように組織する。 宇宙初期、後期の加速膨張の物理を徹底的に究明することが本領域の目的であるので、理論、実験の計画研究班間の連携・シナジーを促進し、また常時モニターするために、連携強化担当を2名置く。具体的にはインフレ-ション、素粒子物理、また宇宙の構造形成の理論班と連携し、トップダウン的にインフレーション、ダークエネルギーの加速膨張を自然に説明できる究極理論を探ることを目的とするC01連携強化担当を1名。また、宇宙背景放射、すばる望遠鏡、30m大型望遠鏡の計画研究班と連携し、多波長宇宙論データから加速膨張宇宙の物理を統一的に制限するための手法、究極的物理解析ツールの開発を目的とするD01連携強化担当を1名。研究人材の育成のため担当者(A01,A02,A03,B01)4名を置き、若手研究者のキャリアアップに資する施策をする。具体的には夏・冬の学校等を企画し、領域の研究に関する学会講演等での成果発表を若手研究者が優先的に割り当てられるように配慮する。 領域計画書の申請通り3年目の本年度は総括班および全研究メンバーに、公募研究者・国内外の関連分野研究者を加えた国際型研究会を開催する。この会議では、当該研究領域の中間成果を確認すると共に、海外の関連研究プロジェクトとの交流を図ることを目的とする。 昨年度末の領域全体シンポジウムに合わせて開催された領域代表者、計画研究代表者間の戦略ミーティングで確認した方針がスムーズに進捗するようにビデオ、電話会議の場を適宜設け、問題点への対処とより有効な研究方法を引続き検討する
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Remarks |
領域全体のプロジェクトマネジメントをあずかる総括班のため、論文、学会発表はない。
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Research Products
(3 results)