2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | "LIVING IN SPACE" - Integral Understanding of life-regulation mechanism from "SPACE" |
Project/Area Number |
15H05935
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
古川 聡 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 有人宇宙技術部門, 主幹研究開発員 (20726260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根井 充 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 人材育成センター, センター長(定常) (10164659)
松崎 一葉 筑波大学, 医学医療系, 教授 (10229453)
村井 正 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 有人宇宙技術部門, 参事 (10748958)
日出間 純 東北大学, 生命科学研究科, 准教授 (20250855)
嶋津 徹 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 有人宇宙技術部門, 主幹研究開発員 (20639158)
東端 晃 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 有人宇宙技術部門, 主任研究開発員 (30360720)
東谷 篤志 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (40212162)
成瀬 恵治 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (40252233)
村上 敬司 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 有人宇宙技術部門, 主幹研究開発員 (40421870)
瀬原 淳子 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 教授 (60209038)
高橋 昭久 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 教授 (60275336)
長瀬 博 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 教授 (70383651)
森田 啓之 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80145044)
岩崎 賢一 日本大学, 医学部, 教授 (80287630)
那須 正夫 大阪大谷大学, 薬学部, 客員教授 (90218040)
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Project Period (FY) |
2015-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 宇宙 / 無重力 / ストレス / 放射線 / 微生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
長期宇宙滞在時、無重力の物理ストレスは筋萎縮や骨密度低下を、閉鎖環境の精神的ストレスは体内リズム不調を、放射線被ばく等の環境リスクはDNA変異等をきたす。有人宇宙探査での超長期宇宙滞在に挑戦する時代にあって、これらは今解決すべき課題である。同時にこれら課題への深い理解は、地上の高齢化・ストレス社会における生命維持・恒常性の担保に貢献し、健康長寿社会につながる。 [A01]宇宙からひも解かれる生命分子基盤の理解では、宇宙の無重力下で生育した線虫はTGF-β/DBL-1発現が低下し、静水圧や粘性変化でも発現変動が生じることを(東谷)、無重力に応答する新規遺伝子発見と、破骨前駆細胞の血管周囲での局在、グルココルチコイド投与により破骨細胞が過剰に分化することを(茶谷)、重力変化を用いた立体臓器構築に必須なYAPシグナル経路の発見(清木)、等をH28年度明らかにした。 [A02]生命体個体の高次恒常性・適応機構と生命医学への展開では、宇宙飛行により前庭系を介した血圧調節機能低下を(森田)、オレキシン1型受容体特異的拮抗薬リード化合物の発見、睡眠覚醒制御遺伝子sleepyの同定を(長瀬)、JAXA閉鎖環境適応訓練設備での共同研究にて、閉鎖によるストレスマーカー候補遺伝子を探索し(古川)、宇宙で長期飼育したマウスで骨量が著しく低下し破骨細胞により骨破壊が亢進(篠原)、等を明らかにした。 [A03]宇宙閉鎖環境によるリスク因子研究とその克服では、疑似無重力3Dクリノスタット装置に各種放射線(紫外線、X線、重粒子線)同期照射システムを構築し、特許取得(高橋)、等を実施した。 領域課題の横断・補完的研究[B01]では、クマムシ固有タンパク質Dsup導入ヒト培養細胞において、活性酸素種によるDNA障害抑制を示し(國枝)、放射線被ばくによる細胞ダメージ可視化(沢野)、等を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各班とも、ほぼ予定通り研究が進捗している。また、例えば以下のような、単独の研究チームではできないようなサイエンスを行うクリエイティブな研究領域ができてきている。 ・A01-1班開発の、3Dクリノスタットや遠心装置に搭載可能な高性能・コンパクトな蛍光顕微鏡システム、あるいはA03-2班開発の、放射線照射用クリノスタット使用で、模擬微小重力と放射線両者の相互作用を調べる。 ・横断的なトランスクリプトーム解析 ・統合閉鎖試験 さらに、外国への研究者派遣や、外国からの研究者招聘により、国際共同研究が始まってきている。かつ若手研究者合宿実施は若手研究者交流促進や人材育成に貢献している。 以上の理由により、現状おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
[A01] [A02] [A03]という研究の縦串に加え、平成28年度からは公募研究28班が参画して本領域は全39班となり、さらに有機的にオーバーラップする横串の階層性、「睡眠―リズム」、「メンタルストレス」、「脳―循環系」、「骨―運動」、「免疫系―微生物」、「生命維持―物質生産」、「重力―メカノ応答」、「代謝変化」、「筋―萎縮」、「宇宙放射線―損傷」を導入し、総花的になることなく実質的な連携・共同研究ができる組織とし、研究を推進する。
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Research Products
(58 results)