2017 Fiscal Year Annual Research Report
Total arrangement of every section and cordination with other international projects
Project Area | Creation of the study of reconciliation |
Project/Area Number |
17H06334
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
浅野 豊美 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (60308244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波多野 澄雄 筑波大学, 人文社会系(名誉教授), 名誉教授 (00208521)
野口 真広 早稲田大学, 地域・地域間研究機構, その他(招聘研究員) (30386560)
外村 大 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (40277801)
加藤 恵美 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (60434213)
梅森 直之 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (80213502)
劉 傑 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (80288018)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | 和解 / 感情 / 歴史認識 / 記憶 / 民主化 / ナショナリズム / 人権 / 紛争解決 |
Outline of Annual Research Achievements |
採択が通知された直後の2017年7月中旬に、領域の全員に呼び掛けて「キックオフシンポジウム」を早稲田大学で行った。今後の目標と和解学の方向性について、また、各班の役割と連携のあり方について、総括班の諮問委員の先生方も呼んで討論を行い、その記録を『ワセダアジアレビュー』第20号に掲載した。これによって、参加できなかった領域構成員にも和解学の方向性を共有し、協力者、および外部からのコメントを受けられるようにした。 さらに、同2017年末には国際連携を今後幅広く実現していくために、また、和解学を既存の学問と関連付けながら国際的な水準に十分耐えられるようにすべく、紛争解決学の専門家と、東アジア史の専門家二人をキーパーソンとして招待した。 招待したのは、アメリカのジョージメイソン大学出身で、国連の紛争調停の現場を周知しているトレーニング大学の新井立志氏、および、イギリスのケンブリッジ大学で東京裁判の中華民国やオランダの判事の活動を中心に戦後秩序を正義の再建過程として深くとらえる視点を提示しているバラク・クシュナー氏であった。両氏は東アジアにおける独特の歴史的背景をにじませた国民相互の「和解」を、世界の標準ともいうべき紛争解決学をベースにしながら発展的に応用していくための問題提起を行った。 それと合わせて、同じ国際連携シンポジウムの席に、ニュージーランドのオタゴ大学で紛争解決学に取り組む研究者2名、高麗大学の平和民主研究所研究者2名、ソウル大学校日本研究所と台湾中央研究院台湾史研究所からも各1名の研究者を招待して、問題提起に対するテーマ別の討論会に参加していただき、帰国後に報告書を提出していただくこととした。討論が充実していた証でもあるが、帰国後に彼らからいただいた報告・コメントも含めて、シンポジウムの内容を『ワセダアジアレビュー』第21号に掲載することで幅広い広報にも役立った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
採択直後のキックオフシンポジウムと、国際連携シンポジウムを無事に開催したのみならず、それを雑誌に公表することができた。また、ホームページも整備し直し、「和解」に関するエッセイを、分担者や研究協力者から、幅広く募ることができるようになり、実際にかなりの分量が集まっている。 さらに、ホームページの多言語化は翌年に持ち越しとなったものの、「歴史紛争和解事典」をウェブ上に立ち上げるべく、出版関係者との人脈も作ることができた。 また、早稲田大学内部で「国際和解学研究所」を翌2018年4月から設置することが決定された。 さらに、第一回の総括班諮問会議を2018年1月に開催して、初年度のシンポジウムの状況、Web整備状況、事典構想について、パートタイムとして臨時に雇用した編集担当者も交えて報告した。また、各班の今後の活動状況も含めて、全体のコーディネートのあり方について諮問を行い、その場にて、社会からのリアクションには慎重かつ丁寧に学問的な枠組みを示しつつ対応を行っていくこと、学問として自立していくためには根源的な問題提起がなければならないこと、方法論を重視すべきこと、事典項目の整備やマスコミを通じた広報など実践的活動をもあくまでも学問的な分野を中心にして推進していくべきことなどについて助言を受けた。
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Strategy for Future Research Activity |
ウェブサイトを充実させ、その上に公開されるエッセイや「歴史紛争和解事典」の項目を増やしつつ、実際に手配を続けていくのみならず、その多言語化のための体制づくりを行う。 国際和解学研究所としてフェローを受け入れるための体制を作る。和解学叢書を第三年目に刊行するために、各班で目次づくりを開始し、その目次と並行して研究報告を行うようにする。通常の論文集とは異なって新しい学問を創設するために、方法論を重視しながら、項目を立てるようにする。また、国家を巡る歴史紛争と、個人やそのアイデンティティーを巡る歴史紛争との本質的な違いを明らかにしながらも、どのような構造によって二つが重なってしまうのかについて、各班が取り組むアクターを中心に問題を整理していくこと、政治家の感情やその表出が意識される構造に注目する。
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Remarks |
ホームページを構築し、そのうえに「和解」に関するエッセイをを5本公開し、和解学月報を随時に更新した。
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Research Products
(19 results)