2010 Fiscal Year Annual Research Report
「細胞内ロジスティクス:病態の理解に向けた細胞内物流システムの融合研究」の運営
Project Area | Intracellular logistics: interdisciplinary approaches to pathophysiology of membrane traffic |
Project/Area Number |
20113001
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉森 保 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (60191649)
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Keywords | オルガネラ / メンブレントラフィック / 細胞内ロジスティクス / 病態の理解 / 情報科学 / ケミカルバイオロジー / 画像解析 / 融合研究 |
Research Abstract |
細胞内の多くのオルガネラや細胞膜を膜ダイナミクスによって結ぶ物流ネットワーク・メンブレントラフィックの実態は、単なる物質運搬ではなく、経済用語のロジスティクス、すなわち「原材料の調達から製品消費までのものの流れの総合的なマネジメント」により近い。この細胞内ロジスティクスは個々の細胞の生存のみならず神経、内分泌、免疫などの高次生体システムをも担い、その障害や破綻は疾患の原因となる。本領域ではその根底にある分子基盤の解明による病態の理解を目指し、分子細胞生物学的なアプローチと共に情報科学・工学及びケミカルバイオロジーとの融合研究を展開する。本研究(総括班)は、融合研究である本領域が適確に推進され、大きな成果を挙げられるような体制を整える役割を担う。今年度は以下の活動を行った。 平成22年6月28~29日に国際シンポジウム「メンブレントラフィックとがん」を開催し、海外10名(総括班海外評価者2名を含む)国内10名の著名なメンブレントラフィック研究者による講演と一般からのポスター発表を行った。約160名の参加があり、極めて充実した内容でこのようなテーマの国際会議は初であると海外からの演者の評価も高かった。引き続き6月30日~7月1日には第2回全体班会議を行い、発表と活発な討論が行われた。同時に開催した第4回総括班会議で、現状の総括と今後の方針を話し合った。融合研究の細胞内画像解析の啓蒙・宣伝のため、MIRU(画像の認識理解)2010学会にてワークショップ「細胞内画像処理」を開催した。また毎年実施されている精密工学会の外観検査アルゴリズムコンテストにおいて、2010年の対象にメンブレントラフィックが選定され120人以上の画像解析研究者が技術を競った。領域HPとニュースレターによる情報発信も精力的に行っている。
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Research Products
(17 results)