2012 Fiscal Year Annual Research Report
Systems Cancer Research Executive Committee
Project Area | Integrative Systems Understanding of Cancer for Advanced Diagnosis, Therapy and Prevention |
Project/Area Number |
22134001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮野 悟 東京大学, 医科学研究所, 教授 (50128104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲澤 譲治 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (30193551)
高橋 隆 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50231395)
石川 俊平 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (50418638)
角田 達彦 独立行政法人理化学研究所, 統合生命医科学研究センター, グループディレクター (10273468)
曽我 朋義 慶應義塾大学, 環境情報学部, 教授 (60338217)
小川 誠司 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (60292900)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | がん / システム生物学 / ゲノム科学 / バイオインフォマティクス / 遺伝統計学 / 腫瘍学 |
Outline of Annual Research Achievements |
新学術領域「システムがん」円滑かつ効率的な計画研究の遂行と、計画研究間或いは公募研究との有機的な連携を推進するために、以下の活動を行った。 (1)班会議の開催、及び班員間の共同研究の調整:2012年7月19日(金)、湘南国際村においてリトリート・システムがん若手交流ワークショップを開催した。これにより計画班及び公募班間の共同研究を促進した。翌日7月20日(土)に班会議及び外部諮問委員会を開催した。 (2)アウトリーチ活動:「システムがんニュースレター」No. 5~No.7を発行した(電子媒体)。このニュースレターは研究者のみを対象としたものではなく、がんのシステム的統合理解について一般を対象としている。また公開講座を開催した。2012年7月29日(日)に東京国際フォーラムにおいて「がんの最先端研究とスーパーコンピュータ」公開講演会を開催した(宮野悟、中川秀刀、小川誠司)。国際がんゲノムコンソーシアム、及びスパコンと次世代シークエンサーによる新たながんのメカニズムの解明など、本領域が新たなパラダイムを引き起こしていることを、一般を対象として発信した。また、同様の内容で「がんの最先端研究とスーパーコンピュータ 2」を2013年3月10日大阪梅田センタービル クリスタルホールで開催した(宮野悟、小川誠司、高橋隆)。システムがんのホームページの維持・管理を行い、システムがんTwitterにより、システムがんの研究成果、及びがん研究のホットな話題を定期的に出した。また、2012年6月16日~17日に「がんとスーパーコンピュータ」について、一般を対象にした研究紹介イベントを名大医学部「鶴舞祭」の中で開催した(高橋隆、宮野悟)。 (3)支援班活動:東大医科学研究所ヒトゲノム解析センターで班員の研究グループの学生・研究員を受け入れ、スパコンを利用したデータ解析・シミュレーション等の実習を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成22年6月に本新学術領域「システムがん」を開始し、この3年間で、これまでのがん研究の方法論に重ね、計画・公募のほぼすべての研究に計算システム生物学による方法論、スーパーコンピュータの活用、次世代シークエンサーによるシステム解析とその数理的データ解析を、高いモチベーションとともに、仕込むことができた。システムがんという領域を象徴する研究成果も得られ、がん研究の歴史に刻まれる成果も出ている。アウトリーチ活動も十分に行ない、がんについての理解をひろめることができた。また、班員間の共同研も大きく進み成果がでている。平成24年に実施された中間評価ではA+の評価を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
大きな世界的変化が、この3年ほどの間に劇的に進んだ最先端のシークエンシング技術とその実用化により起こり、パーソナルゲノム時代が始まった。米国では(ゲノムを翻訳・解釈して患者さんに返す)「臨床シークエンス」にむけて、検査会社、保険会社、クラウドコンピューティング会社、シークエンス技術会社、FDA、NIH、法律、倫理、病院、医療機器、臨床、研究者が、国をあげて既に個別化ゲノム医療に取り組んでいる。本領域の提案書を書いてから3年ほどの間に世界は大きく変わった。そのため、本領域としては、新たな推進方策の提言する。すなわち、本領域「システムがん」は、この急激な技術と社会の変化に鑑み、残りの2年の間に「真に次世代のがん研究」の領域となるべく、次のように研究を推進する。 (i)シリコンシークエンサーなどの発展を見据え、個々人のゲノム・エピゲノムとがんの病態の間にある「パーソナルがんシステム」を解く個別化医療のための基礎と応用研究を推進する。 (ii)がん研究におけるスーパーコンピュータの活用をさらに推進する。 (iii)実験系研究室におけるシステム・情報系の人材育成を推進する。 (iv)パーソナルがん医療の未来に関するアウトリーチ活動に力をいれる。
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Research Products
(5 results)