2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Studying Interactions between Politics and Economic Development in Emerging Countries |
Project/Area Number |
25101001
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
園部 哲史 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (70254133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本名 純 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (10330010)
戸堂 康之 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (30336507)
白石 隆 政策研究大学院大学, -, 学長 (40092241)
大塚 啓二郎 政策研究大学院大学, 政策研究科, 特別教授 (50145653)
佐藤 寛 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, その他部局等, 研究員 (50403613)
杉原 薫 政策研究大学院大学, 政策研究科, 特別教授 (60117950)
恒川 惠市 政策研究大学院大学, 政策研究科, 特別教授 (80134401)
鬼丸 武士 九州大学, 比較社会文化研究科(研究院), 准教授 (80402824)
松本 朋哉 政策研究大学院大学, 政策研究科, 助教授 (80420305)
高木 佑輔 政策研究大学院大学, 政策研究科, 助教授 (80741462)
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Project Period (FY) |
2013-06-28 – 2018-03-31
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Keywords | 新興国 / 国家建設 / 経済発展 / ミクロ実証研究 / マクロ比較史研究 / 政治経済研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
総括班の役割は、1)各計画研究班、公募研究の間の企画調整を主導すること、2)研究成果を積極的に外部へ発信すること、3)公募研究や共同研究を通じて若手研究者を支援し、育成することにある。それぞれに関して、平成27年度の実績は以下の通りである。 1)総括班会議及び全体会議を二ヶ月毎(計6回)に開催した。総括班会議では、各計画研究班のリーダーが進捗状況を報告するとともに、各班が主催するイベントについて情報交換を行った。全体会議では、異なる計画研究班の研究者が分野を超えて研究内容を理解し合うための研究報告と専門横断的な議論を活発に行った。その成果として、研究班の垣根を超えた共同研究が増えてきている。また、5月及び3月にはこれまでの成果の取りまとめ、今後の研究方針を固めるためのワークショップを開催した。ワークショプには、国内外から著名な研究者を招聘し意見交換を行い、「新興国研究」に関する叢書の構成・内容についての方向性を固めた。 2)ホームページ(http:www3.grips.ac.jp/~esp/)上で、本領域研究の研究内容、研究者の紹介を行っている。また、研究会などで報告された論文、ワーキングペーパー、及び学会誌に掲載された論文などは、できるだけダウンロードできるようにしている。加えて、イベント情報、計画研究班所属の研究者によるコラムを随時更新(今年度、新たに21本を掲載)し、研究者だけでなく一般の方々にも本領域研究に興味を持ってもらえるよう努めている。 3)平成26年度に助教授、ポスドク、博士課程後期の学生が中心となって立ち上げた「ESP若手研究者の会」に対して、本年度より総括班として組織的に支援している。若手の会では定期的に研究会を実施しており、総括班はこの研究会への遠方からの参加を支援し、若手研究者間の学際的な交流を即すとともに、ベテラン研究者と積極的に情報交換できる場として活用している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
総括班は、研究者間の活発な知的交流を実現し、領域としての研究成果を各計画研究班が生み出し、研究成果を広く世界に発信することを目指している。それぞれの点に関して進捗状況は以下の通りである。 (1)総括班は2ヶ月ごとに総括班会議を開催し、各班の進捗状況および研究内容を把握し、分野融合的な研究へ各班、各研究者がさらに積極的に取り組むよう、さまざまな工夫を重ねている。その結果、分野融合マインドは、下の(2)と(3)に具体例を示す通り、この一年間でいっそう浸透した。他方、領域研究に努力を傾注したために個別研究の発展が大きく犠牲になったという兆候は見られず、新たな公刊論文、学会報告、著作・編著作は質・量ともに順調に推移している。 (2)総括班が主催する全体会議や、複数の研究班が共催する研究会を通して、研究班間の交流がますます盛んになり、いくつもの共同研究が進んでいる。 (3)先述の通り、国際ワークショップを2度開催し、多数の研究者による活発な議論を通じて、分野横断的な英文叢書の構成・内容についての方向性を固めた。多くの研究者が叢書の各巻各章の執筆者として名乗りを上げ、一つの章を異なる計画研究班に属する研究者が共同で執筆するケースが続出している。今後も、いっそう分野融合的な内容の章が増えるように総括班は共同研究のコーディネートを進めている。新興国の政治経済を総合的/体系的に理解するための叢書作成を通じて、期待した通り、領域研究者の分野融合マインドは大いに強化されている。 (4)本プロジェクトのウェブサイト上(www3.grips.ac.jp/~esp)で、研究成果の報告、研究内容の紹介、研究イベントの告知に関する情報を掲載し、随時更新している。研究の一端を紹介するコラムを平成27年度は21本掲載した。以上の通りプロジェクト全体として順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本領域は二段階の戦略を取っている。第1段階では、新興国に関する個別分野の研究を研究者が互いに理解し合うことを目標とした。現在進行中の第2段階では、新興国の総合的・体系的理解を目標として、個別研究を統合する分野融合的な共同研究を推進している。総括班はこの分野融合的共同研究を主導するため、一連の英文叢書刊行の準備を進めている。 今後の推進方策として特記すべき1点目は、本領域に参画している研究者の分野融合マインドを更に高めるために、叢書出版計画を一部前倒しして進めていることにある。具体的には、叢書の第1巻を他の巻に先駆けて出版するべく、当初より半年以上計画を早めて作業を進めている。叢書全体を俯瞰する役割を担う第1巻を他に先駆けて完成させることで、残りの巻の執筆者たちが叢書全体の構成の中で自らの章を位置づける必要が生まれ、執筆者間の意見交換が活性化し、全体の計画が進展すると期待している。 2点目は、研究成果の海外発信の更なる推進である。英文叢書の刊行は成果発信に重要な役割を果たすものであるが、活発に研究を行っている世界各国の研究者たちにこの叢書を周知しなければ、本領域が新興国研究の国際拠点になることはない。そこで、本領域で得られた成果を国内外で開催する国際会議の場で公開する手段を、昨年度末に設置された国際活動支援班と共に検討し、具体的な計画を策定・実施していく。 3点目は、広く国民社会に研究成果を発信することである。英文叢書のなかから、一般の関心を引く重要なテーマに関連する部分を集め、邦文の一般書あるいは新書として刊行することを計画している。 4点目として若手研究者の育成については、「ESP若手研究者の会」への支援を今後とも続けるほか、国際活動支援班を活用し、若手研究者の海外派遣・受け入れ、若手が企画する国際研究集会への支援などを通じて、国際的に活躍する若手研究者の育成をより一層強化する。
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Research Products
(3 results)