2014 Fiscal Year Annual Research Report
こころの時間学 ―現在・過去・未来の起源を求めて―
Project Area | The Science of Mental Time: investigation into the past, present, and future |
Project/Area Number |
25119001
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北澤 茂 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (00251231)
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Project Period (FY) |
2013-06-28 – 2018-03-31
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Keywords | こころの時間学 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は過去と現在と未来を区別して生きている。このヒト特有の時間の意識―こころの時間―は、どこから生まれてくるのか。本領域は現在、過去、未来にわたる「こころの時間」の成り立ちを、心理学、生理学、薬理学、臨床神経学を専門とする神経科学者と、ヒト特有の時間表現に精通した言語学者と哲学者、こころの起源を追究する比較認知科学者との間で共同研究を展開することで解明し、新たな学問領域「こころの時間学」を創出することを目指している。 総括班の役割は1.班員相互の情報共有と議論の場を設けること、2.連携研究を推進すること、3.研究成果を広報し社会にアウトリーチすること、である。以上の役割を実現するために、企画実行委員会と連携研究推進委員会は2015年2月1日の班会議において「哲学と神経科学の対話」と題し、文理双方から問題を提起し、全班員で大規模な議論および情報交換を行った。また、2014年9月27日には「言語・哲学」班チュートリアル(会場:明海大学)、2014年11月29-30日には「動物」班チュートリアル(熊本サンクチュアリ)などの勉強会を開催し、班員間の交流を図った。総括班は企画のみならず金銭的支援も行った。こうした積極的な仕掛けを不断に継続した結果、連携研究70件、学際連携38件、学会発表25報、論文発表13報(国際誌11報)、書籍出版4件を数えるに至った。広報委員会は領域のHPとfacebookを通じて本領域の目的と研究成果を広報し、成果を社会に還元した。3名の外部アドバイザーより、大所高所からのアドバイスをいただいて領域運営の改善に生かした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述の連携研究推進の努力を続けた結果、連携研究70件、学際連携38件、学会発表25報、論文発表13報(国際誌11報)、書籍出版4件を数えるに至った。着々と蓄積しつつある成果は、複合領域として発足した当新学術領域が、健全かつ順調に領域内連携を推進していることを如実に示している。以上の定量的なデータより順調に進展している、と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究領域の推進にあたっては、過去2年にわたり有効であった「融合チュートリアルの開催」等の基本方針を堅持しつつ、領域の勢いをさらに加速させるための方策を講じていく。具体的には、1.テーマを限定したミニワークショップを開催し、2. 公募研究での研究者の重点的な補充を行い、3. 国内外の研究者との連携による組織の強化を図る。
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Research Products
(4 results)