2017 Fiscal Year Annual Research Report
Efficient Synthesis of Important Bioactive Medium-Size Polycyclic Natural Products
Project Area | Middle molecular strategy: Creation of higher bio-functional molecules by integrated synthesis. |
Project/Area Number |
15H05841
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
中田 雅久 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50198131)
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Project Period (FY) |
2015-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 有機化学 / 生物活性 / 反応集積化 / 中分子 / 不斉触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
不斉触媒反応の活用により合成した二つのフラグメントを内本カップリングにより結合し、立体選択的変換を含む数工程でメチルケトンを合成した。そのパラジウム触媒を用いた八員環形成反応が95%で進行することを見出し、生成物をMoOPH/LHMDAで処理すると立体選択的にヒドロキシ基を導入できた。続く立体選択的還元により得たトランス1,2-ジオールのTESClによる選択的保護とグルコースから合成した糖部分フラグメントとのグリコシル化、脱保護を行い、cotylenin Aの初の不斉全合成を達成した。 ベンゾフランを反応停止部位とするエンイン環化異性化を開発し、目的生成物を単一生成物として高収率で立体選択的に与える基質構造を特定した。また、この環化異性化の不斉触媒反応が高いエナンチオ選択性で進行することを見出し、bruceantinの主骨格を含む三環式化合物の構築に成功した。 全炭素四級不斉中心と大員環形成を伴うα-アルキリデン-α-アルコキシカルボニル-δ-ラクタムの分子内[4+2]反応が収率32%で進行することを見出したので、この手法をkeramaphidin Bの骨格構築に展開する。また、フロー合成によりα-アルキリデン-α-イミド-δ-ラクタムの直截的合成が79%で進行することを見出した。 kaurane類やatisine類に見られるtrans/cis縮環を持つ三環式骨格を立体選択的に一挙に構築する反応集積化としてLiebeskind-Sroglカップリング/分子内Diels-Alder連続反応を開発した。 各種多環式天然物の不斉合成に活用可能な新規マスクドオルトベンゾキノンであるオルトキノンモノヘミアミナールの立体選択的な合成法を開発した。 新規C2対称性超原子価ヨウ素試薬を開発し、1-ナフトール誘導体の不斉酸化的スピロラクトン化反応が83% eeの目的生成物を与えることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
コチレニンAの合成においては、初となる不斉全合成を達成した。A環、C環フラグメントの合成、カップリングとその後の変換について反応条件および合成ルートの最適化・集積化を行い、直線総工程数20工程の合成ルートを開発した。さらなる短工程化を目指して検討中である。コチレニンAの量的供給のためにフラグメントの改良合成を併せて行っており、そのための不斉触媒反応の開発も進めている。また、固定化不斉触媒による触媒的不斉分子内シクロプロパン化に成功し、そのフローシステムへの組み込みを検討したが、触媒活性が低く、また触媒金属の漏出がおこるため、対策が必要であることが分かった。 ブルセアンチンの合成においては、エナンチオ選択的連続環化の反応生成物への全炭素四級不斉中心の導入が困難であったが、その連続環化の反応停止部位を変化させることにより、エナンチオ選択的な連続環化がおこり得る基質構造の種類を増やすことができるという知見を得たので、二つの全炭素四級不斉中心構築を伴う連続環化反応に適用可能な基質の設計・合成を検討中である。 ケラマフィジンBの合成においては、全炭素四級不斉中心と大員環形成を伴うα-アルキリデン-α-アルコキシカルボニル-δ-ラクタムの分子内[4+2]反応が進行することを見出したので、この手法をケラマフィジンBの骨格構築に適用するべく、基質の設計と合成を検討中である。また、フロー合成によるα-アルキリデン-α-イミド-δ-ラクタムの直截的合成が可能であることを見出したので、分子内[4+2]反応の基質合成への活用を検討中である。 トランスデカリン骨格の高立体選択的構築を実現可能な遷移金属触媒による分子内環化反応を見出したので、アティサン類の骨格の立体選択的構築への活用を検討中である。 新規C2対称性超原子価ヨウ素試薬については、不斉触媒として活用すべく、その構造の最適化を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
コチレニンAの量的供給のためには、各フラグメントの改良合成法開発が必要である。A環フラグメントの合成は、触媒的不斉向山‐マイケル反応により効率化可能であるので開発を目指す。向山‐マイケル反応は速く進行するため、固定化不斉触媒による反応に適しており、フロー合成への展開も好結果が期待できる。固定化不斉ルイス酸触媒としては、エンイン環化異性化の不斉触媒化に有効な不斉NHC配位子の開発に成功しているので、そのカチオン性金属錯体を検討する。 ブルセアンチンの合成においては、これまでにアルキンに対するシリルエノールエーテルの分子内反応が効率的に高エナンチオ選択的に速やかに進行することを確認しているので、二つの全炭素四級不斉中心構築を伴う連続環化反応の開発を目指して、連続環化の反応停止部位を反応性の高いシリルエノールエーテルとした基質のエナンチオ選択的な連続環化を検討する。 ケラマフィジンBの骨格構築に活用可能な全炭素四級不斉中心と大員環形成を伴う分子内[4+2]反応を見出したが、この反応は分子間反応に近い。そこで、ケラマフィジンBの中心骨格構築を分子間反応により検討する。まず有効なジエンとジエノフィルの組み合わせを見出し、それらを分子内反応に展開する。ピリドン誘導体同士の[4+2]反応となるので、立体反発による反応速度低下を補うため、ジエンとジエノフィルの両方の活性化が必要である。そこでジエンは電子供与性基で置換し、ジエノフィルはルイス酸の使用、イミド基の導入を検討する。場合により高圧反応条件も検討する。イミド基の導入にはフロー法を適用する。 transデカリン骨格の構築に活用可能な遷移金属による分子内反応を見出したので、基質範囲の適用限界を検討する。 新規C2対称性超原子価ヨウ素試薬については、不斉触媒として活用すべく、ヨウ化アリール部分の電子密度を上昇させるべく構造の最適化を行う。
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Research Products
(14 results)
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[Presentation] Synthesis of α-Alkylidene β-Oxoimide using Flow System2018
Author(s)
KOMURO, katsuhiro, SHIMODA, Hiroki, UWAMORI, Masahiro, NAGAKI, Aiichiro, YOSHIDA, Jun-ichi, NAKADA, Masahisa
Organizer
The First International Conference on Automated Flow and Microreactor Synthesis
Int'l Joint Research
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