2019 Fiscal Year Annual Research Report
非平衡開放系を利用する反応集積化による精密合成反応の開発
Project Area | Middle molecular strategy: Creation of higher bio-functional molecules by integrated synthesis. |
Project/Area Number |
15H05845
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松原 誠二郎 京都大学, 工学研究科, 教授 (90190496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 圭佑 京都大学, 工学研究科, 助教 (90711771)
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Project Period (FY) |
2015-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | キュバン / キラル分子 / 電荷シフト結合 / 有機亜鉛アート錯体 / ラジカル反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
1964年にEatonが合成を発表した正立法体炭化水素Cubaneはその歪んだ骨格にも関わらず,熱的安定性が非常に高い。近年ベンゼンの生物学的等価体として種々の医薬に導入が試みられている。Cubane上の三置換体としては,1,2,3-, 1,3,5-, そして1,2,4-型が考えられるが,sp3炭素の骨格であるにも関わらず,その高い対称性により立体異性体の数が最小に絞られる。特に1,2,3-及び 1,3,5-置換型は,光学異性体が存在するキラル化合物であり,合成ターゲットとして興味深い。Eatonらはシクロペンタノンから出発し,光[2+2]付加を鍵反応とし数ステップを経て1,4-ジメトキシカルボニルキュバンを得ており,これは容易に4-ヨードキュバンカルボン酸アミドとなることを1964年に報告している。このヨウ素部分にジアニオン性亜鉛アート錯体を用いて金属交換し,重水素に変換し,4位が重水素化されたキュバンカルボン酸アミドを得た。この基質に対して立体的に嵩高いN-ブロモアミド誘導体を可視光照射化に作用させ選択的3,5-ジブロモ化を試み,3,5-ジブロモ-4-d-キュバンカルボン酸アミドを選択的に得た。このジブロミドに対し,再びジアニオン性亜鉛アート錯体を作用させ,ベンジルブロミドを作用させると,3-ベンジル-5-ブチル-4-d-キュバンカルボン酸アミドに変換できることを見いだした。これはキラルキュバンであり,キラルHPLCによる光学分割により光学活性キュバンを単離した。立方体骨格が不斉配置の光学活性キュバンを単離した最初の例である。ジブロモキュバンに対してジアニオン性亜鉛アート錯体を作用させた際、中間体として電荷シフト結合を有する高歪みキュバン中間体が生成していると考えられる。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(14 results)