2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Non-linear Neuro-oscillology: Towards Integrative Understanding of Human Nature |
Project/Area Number |
15H05877
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
北野 勝則 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (90368001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北城 圭一 国立研究開発法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 副チームリーダー (70302601)
青柳 富誌生 京都大学, 情報学研究科, 教授 (90252486)
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Project Period (FY) |
2015-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 位相ダイナミクス / 脳波 / 位相応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
・細胞内Ca2+濃度のダイナミクスは、Ca2+律動やシナプス可塑性など、単一細胞応答や回路形成において重要な役割を担っている。シナプス近傍だけでなく単一細胞に渡るCa2+ダイナミクスを、細胞内Ca2+ストアを考慮したモデルを構築し、シナプス入力に対するCa2+応答について解析した(Futagi & Kitano, 2016)。 ・リズム活動を示す力学系は、位相応答曲線により特徴付けられるが、実験データによりこれを求めるのは難しいとされてきた。ノイズ入力に対する位相応答を重み付けて平均するweighted spike-triggered average(WSTA)という手法を提案し、従来手法よりノイズに頑健であることを確認した(Imai & Aoyagi, 2016)。 ・多細胞スパイクデータを用いて背後にある神経回路のシナプス結合を推定する問題において、シナプス前後の細胞ペアの活動のみを用いる場合(2体)と、それ以外のもう一細胞の活動を用いる場合(3体)の比較を行い、後者の場合の方が少しだけ精度が改善されることを示した (Kobayasi & Kitano, 2016)。 ・機械学習手法として広く用いられるベイズ推定のアルゴリズムの実装を可能とする神経回路モデルを大脳皮質の回路構造に基づいて構築した。また、その回路の刺激の強さに対する反応時間が心理学で知られているPieronの法則に従うことが示された(Futagi & Kitano, 2016)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015年度は以下の進捗が得られたため、おおむね順調に進展していると考えている。 ・ノイズ刺激による位相応答解析推定法:リズム活動を示す力学系は位相応答曲線と呼ばれる特性により記述可能であることが知られている。これを求める従来手法は、様々な位相に対しパルス入力を与えて場合の位相の変化を求めるものであるが、ノイズに弱いと知られていた。 これに対し、ノイズ入力に対する位相応答を重み付けて平均するweighted spike-triggered average(WSTA)という手法を提案し(Imai & Aoyagi, 2016)、従来手法よりノイズに頑健であることを確認した。 ・位相振動子ダイナミクスにおける相互作用関数推定法:相互作用をもつリズム活動集団は位相振動子ダイナミクスで記述可能と知られている。計測データからダイナミクスを導出するには、相互作用を求める必要がある。モデル方程式を経由せず、計測データから直接相互作用を求める手法を提案し、計算機実験データに適用し、時系列データ(投稿中)やスパイクデータ(投稿準備中)に対し有効であることを確認した。 ・多変量transfer entropyのデータ適用への準備:モデルフリー解析で有力な手法であるtransfer entropyは主に2つの時系列データに対し適用されているが、多変量へ適用する手法が提案されている。脳波の多チャンネルデータへの適用についての方針を検討した。 ・A03班との共同研究へ向けたデータ解析方法についての検討:領域内A03班の共同研究に向けて、A03班における計測データ及びB02班のデータ解析手法について勉強会を開き、解析対象のデータと適用する解析手法について議論を重ねた。
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Strategy for Future Research Activity |
領域内A03班において、てんかん患者に対する治療の過程で計測された皮質脳波(ECoG)データを解析することで病変脳における脳活動ダイナミクスの解明を進める。 ・ECoG信号ダイナミクスの推定:リズム特性をもつダイナミクスの刺激に対する応答特性は、位相応答曲線で特徴付けられる。領域毎の位相応答曲線を推定できれば、各領域毎の活動特性の類似・相違点を明らかにすることが可能となる。Imai & Aoyagi (2016)で提案されたノイズ刺激を用いる位相応答曲線推定法を適用し、脳部位毎の位相応答曲線を推定する。 ・ECoG信号ダイナミクスにおける相互作用の推定:ECoGデータに対し、transfer entropyやGranger causalityなどのモデルフリー解析を適用し、信号源間および異なる周波数間の因果性を検出し、脳活動動態を解析する。また多点ECoGデータを結合振動子系と仮定し、電極間の相互作用関数を機械学習手法(ベイズ推定)により推定することを試み、前者の結果との比較を行う。 ・健常者の認知機能時における脳波活動計測:健常者に対する認知課題時の脳波活動(EEG)計測を行う。比較的単純な課題であるタッピング課題等のてんかん患者でも実行可能は課題を設定し、健常者とてんかん患者の間で脳活動動態の比較を行う。 ・介入刺激実験とその解析手法の開発:安静時、および、認知活動時のtDCSによる脳刺激時のEEG計測を行い、機能的ネットワークの変調と脳活動解析が可能な実験手法を開発する。
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Research Products
(21 results)